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2007年 今年の3冊 [日記(2007)]

2007年も終わるわけです。今読んでいるマイクル・コナリーの『ブラック・アイス』が今年中に読み終わるので、2007年の読書は(上下を2冊に勘定して)70冊です。殆ど古本の文庫ですから、投資は多分1万円を大きく切るでしょう(新本込みで)。抜群のコストパフォーマンスです。で、今年の3冊ですが、

ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)

ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 吉村 昭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1993/03
  • メディア: 文庫


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

  • 作者: 梅田 望夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2006/02/07
  • メディア: 新書


少年時代〈上〉 (文春文庫)

少年時代〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: ロバート・R. マキャモン
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1999/02
  • メディア: 文庫


・・・かな。いつもながら選択は難しいです。

 小説から1冊、ミステリーから1冊、その他から1冊。いずれも「寝食を忘れて」読んだと言う表現がぴったりくる3冊です。
 1は、幕末の動乱と蘭学の隆盛を背景に、シーボルトとその愛人其扇、その娘お稲の3人を描いた歴史小説です。吉村昭の小説には、事実を淡々と積み重ねるドキュメンタリーが多いですが、史実と物語のバランスが一番よくとれた小説だと思います。
 2は、ネットやコンピュータについて日頃感じてきた個人的な思いを本にしてくれた「膝を打つ」1冊です。
 アラバマ州の田舎町を舞台に少年の夢と冒険を描いた3は、詩情豊かなファンタジーとして1級品です。

 次点
・レイモンド・チャンドラー 長いお別れ
・高村薫 新リア王
・半藤一利 漱石先生ぞな、もし

 『長いお別れ』は今年、村上春樹の新訳が出て有名にまりましたが、清水俊二の旧訳もハードボイルドの雰囲気をよく伝えており、楽しめます。『新リア王』は戦後50年体制の崩壊を扱い、父と子、地方と中央、政治と民衆の対立描き、重厚の一語に尽きます。半藤一利は『漱石先生ぞな、もし』『昭和史』と2冊読みました。前者は、「小説とはこう読むんだよ」と教えられる1冊でした。
いずれも、次点などとはおこがましい名作でしょう。

今年の読書は、上下巻を2冊と勘定して70冊。高村薫の『春子情歌』『新リア王』を除くと、全部古本ということになりました。当分、古本漁りは止められそうにありません。

☆☆☆☆☆ →お勧め

・ 1月 9日 高村 薫 レディ・ジョーカー 上・下・・・☆☆☆☆☆
・ 1月14日 逢坂 剛 カディスの赤い星上・下
・ 1月21日 瀬名秀明 デカルトの密室
・ 1月30日 村上春樹 ダンス・ダンス・ダンス 上・下
・ 2月 6日 スタンウッド エヴァ・ライカーの記憶
・ 2月10日 村上春樹 やがて哀しき外国語
・ 2月18日 村上春樹 海辺のカフカ 上・下
・ 2月22日 梅田 望夫 ウェブ進化論 ~本当の大変化はこれから始まる・・・・☆☆☆☆☆
・ 3月13日 高村 薫 晴子情歌 上・下
・ 3月17日 逢坂 剛 百舌の叫ぶ夜
・ 3月21日 逢坂 剛 よみがえる百舌
・ 3月29日 浅田次郎 プリズンホテル(1) 夏
・ 4月 3日 辺見 庸 反逆する風景
・ 4月 9日 村上春樹 国境の南、太陽の西
・ 4月14日 網野 善彦 日本論の視座~列島の社会と国家
・ 5月 4日 岡田尊司 脳内汚染
・ 5月5日 高村 薫 新リア王 上・下・・・☆☆☆☆☆
・ 5月10日 藤沢周平 義民が駆ける
・ 5月12日 横山秀夫 半落ち
・ 5月19日 レイモンド・チャンドラー 長いお別れ・・・☆☆☆☆☆
・ 5月24日 山際淳司 スローカーブを、もう一球・・・☆☆☆☆☆
・ 6月11日 トマス・ハリス ハンニバル・ライジング 上・下
・ 6月24日 村上春樹 遠い太鼓
・ 6月29日 吉村 昭 海の史劇・・・☆☆☆☆☆
・ 6月30日 立花 隆 サル学の現在 上・下
・ 7月 1日 北方謙三 黒龍の柩 上・下
・ 7月 4日 村上春樹 アフターダーク
・ 7月14日 吉村 昭 ふぉん・しいほるとの娘 上・下・・・☆☆☆☆☆
・ 7月24日 帚木蓬生 ヒトラーの防具 上・下(新潮文庫)
・ 8月 5日 ロバート・R・マキャモン 少年時代 上・下・・・☆☆☆☆☆
・ 8月 9日 吉村 昭 大黒屋光太夫 上・下
・ 8月16日 村上春樹 中国行きのスローボート
・ 8月19日 レイモンド・チャンドラー かわいい女
・ 8月25日 澤地久枝 もうひとつの満州
・ 8月31日 吉村 昭 アメリカ彦蔵 上・下
・ 9月 5日藤沢周平 漆の実のみのる国 上・下
・ 9月 8日 半藤一利 漱石先生ぞな、もし
・ 9月13日 吉村昭 海の祭礼
・ 9月23日 京極夏彦 嗤う伊右衛門
・ 9月25日 吉村 昭 深海の使者
・ 10月 7日 酒見賢一 墨攻
・ 10月 8日 半藤一利 昭和史
・ 10月13日 吉村 昭 冬の鷹
・ 10月21日 吉村 昭 生麦事件 上・下
・ 10月24日 帚木蓬生 三たびの海峡
・ 10月29日 野尻抱介 太陽の簒奪者
・ 11月11日 ロバート・R・マキャモン 遙か南へ
・ 11月19日 マイクル・コナリー 天使と罪の街 上・下
・ 11月30日 トーマス・フリードマン フラット化する世界(上)
・ 12月16日 トーマス・フリードマン フラット化する世界(下)
・ 12月24日 マイクル・コナリー ナイトホークス上下
とりあえず69冊。+ブラック・アイス で計70冊の予定。
著者・作家では、半藤一利、マイクル・コナリー、ロバート・R・マキャモンが収穫でした。コナリーはせっせと収集中です。

古い既読は ここ にあります。


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