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映画 F・コッポラ ドラキュラ(1992年米) [日記(2009)]


ドラキュラ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテイメント
  • メディア: DVD


 『ドラキュラ映画』と云えばクリストファー・リー、ピーター・カッシングですが、コッポラが作るとこうなるのでしょうか。原作に忠実に作ったということですが、これは、怪奇映画と云うより純愛物語でしょう。

 ルーマニア、トランシルバニアの領主がオスマントルコとの絶望的な戦いに出陣します。からくも生き残った領主が居城に戻ってみると最愛の妻エリザベータは自殺していました。領主戦死の報告を受け、絶望したエリザベータは深い谷に身を投げたのです。領主は神を呪って復讐を誓いますが、それが何故吸血鬼になることなのか、釈然としません(まぁどうでもいいですが)。オスマントルコとの戦い自体キリスト教徒のジハードですから、命を賭した戦いの巻き添えで若妻を失っては、たまりませんよね。
 この領主が吸血鬼となるわけですが、ドラキュラ伯爵と亡くなった若妻の運命が映画のテーマです。

 映画の舞台は、ドラキュラがロンドンの不動産入手(ロンドン進出)のために呼んだ弁護士、キアヌ・リーヴスが体験する恐怖の導入部(ドラキュラの登場)と、ヘルシング教授がドラキュラを退治する結末部分がトランシルバニアの古城。ドラキュラとヘルシング教授の攻防、ミナとの運命的な出会いがロンドン。この二つが舞台です。
 映像は、ちょっと鼻につきますが、ゴシックホラーを意識的にした手法を採っています。ドラキュラとミナが出会う19世紀ロンドンの街角は雰囲気が出ています。19世紀の霧のロンドンは、魑魅魍魎跋扈の舞台としては最適です。キアヌ・リーヴスがドラキュラの3人の花嫁に血を吸われる描写は何ともエロティック。ベットに横たわったキアヌ・リーヴスの股間から女吸血鬼が現れるシーンは、『地獄の黙示録』でマーティン・シーンが川から現れるシーンとソックリで、コッポラだ!(単純・・・笑)。

 ロンドンに出たドラキュラは、亡くなった妻と瓜ふたつのミナを見かけ声をかけます。ここからドラキュラとミナの物語がスタートします。ミナはハーカーという婚約者がいるにも係わらずドラキュラに惹かれてゆきますが、これは現実のミナの話しなのか、ミナに乗り移ったエリザベータのなせる業か判然としません。きっと後者なのでしょう。ミナの流した涙をドラキュラが宝石に変えるシーンは女性ならグッとくるシーンでしょうね。
最後にトランシルバニアの古城で、ミナはドラキュラの胸に刺さった剣を深く押し込み、首を刎ね、葬ります。ドラキュラを不死と吸血鬼の業から解き放ち、時空を超えたドラキュラ伯爵とエリザベータの愛が成就します。これって純愛映画?(原作がそうだったのかどうか忘れましたが)。

 予備知識無しに見たのですが、エッ?キアヌ・リーヴス出ているの?、ドラキュラがロンドンに現れたシーンで、ドラキュラがゲイリー・オールドマンだということに気づきました(ゲイリー・オールドマンは『レオン』で異常の麻薬取締官を好演していました)。キアヌ・リーヴスは存在感が薄く、ヘルシング教授もアンソニー・ホプキンスの起用は勿体ないと思います。

 コッポラがブラム・ストーカーの原作に忠実に作ったということですが、原作を読んだのは遙か昔、全く憶えていません。今年の夏の緑陰図書候補です。

監督:フランシス・F・コッポラ
キャスト:
ゲイリー・オールドマン(ドラキュラ)
ウィノナ・ライダー(ミナ)
アンソニー・ホプキンス(ヘルシング教授)
キアヌ・リーヴス(ハーカー)
サディ・フロスト(ルーシー)
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コメント 3

Betty

映画館で観ました☆
キアヌが出ているのはすっかり忘れていました@@
by Betty (2009-04-06 12:09) 

べっちゃん

何時もniceを恐縮です。仰るように、キアヌ・リーヴスは全く存在感がありません。
by べっちゃん (2009-04-06 22:22) 

ヘルシング 画像

もう見ました、面白いですね
by ヘルシング 画像 (2010-11-08 18:13) 

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