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映画 大いなる決闘(1976米) [日記(2011)]

大いなる決闘 [スタジオ・クラシック・シリーズ] [DVD]
 原題はTHE LAST HARD MEN。決闘シーンは無く、どこが『大いなる決闘』なのかさっぱり分かりませんが、邦題はまぁそんなもんでしょう。
 チャールトン・ヘストンジェームズ・コバーンを起用した大型西部劇、と言いたいところですが、西部劇のスタイルを借りた2大スターの競演映画です。あくまでも売りはチャールトン・ヘストンとジェームズ・コバーンで、ストーリーは二の次。

 元保安官のバーゲード(チャールトン・ヘストン)と脱獄囚プロボ(ジェームズ・コバーン)が主人公です。ブロボは先住民との混血で、バーゲードがブロボ逮捕の銃撃戦で、彼の先住民の恋人を殺したという設定になっていて、ブロボの復讐に一定の配慮がなされています。この映画は、ブロボの復讐物語なのですが、復讐される側が主人公という変則的な造りです。もうひとつ盛り上がりに欠けるのは、その辺りが原因でしょう。それと、ジェームズ・コバーンの軽妙洒脱なキャラクターと復讐はミスマッチです。『夕陽のギャングたち』でコバーンをIRAの爆弾テロリストに起用したセルジオ・レオーネは偉い!。

 面白いのは、このふたりの攻防が始まるまでと始まってからの背景の違いです。ブロボが脱獄し逃亡を図るシーンは、いずれも鉄道が舞台となり馬を手に入れて復讐が開始されます。一方バーゲードも、ブロボの動静を探るために電話、電信を使い、おびき出すために自動車を使いますが、ブロボ追跡は馬です。この映画では意識的に『近代的』なものを切り捨てて古い時代へのノスタルジーを売りにしているようです。バーゲードに『新しい時代は好きになれない』みたいなことを言わせてますが、余計なセリフです。

 ブロボがバーゲードの娘を誘拐し、バーゲードが娘を助けるために娘の恋人と追いかけるというのがこの映画の骨子です。バーゲードをおびき出すために、ブロボは一緒に逃げた脱獄囚に娘をレイプさせます。この展開は意外です。もっと以外なのは、娘の恋人が『命あってのものだね』とばかり助けに飛び出すバーゲードを殴り倒すストーリーです。確かに、ここで飛び出せばブロボの思うつぼなので、この恋人の行為は正しいわけですが、後でもめますねぇ。そう思って見ると、ラストで重傷を負ったバーゲードに娘駆け寄るシーンがあるのですが、娘は一瞬躊躇しているようにも見えます。何で私を見捨てたんだ!このあたり、マカロニウェスタンの影響みたいなものを少し感じます。

 どうも変な西部劇です。

監督: アンドリュー・V・マクラグレン
出演: チャールトン・ヘストン ジェームズ・コバーン バーバラ・ハーシー クリストファー・ミッチャム

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