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映画 ロビン・フッド(2010米英) [日記(2011)]

ロビン・フッド ディレクターズ・カット版(2枚組) [Blu-ray]
 映画館で見損なったリドリー・スコットの『ロビン・フッド』、DVDになったので早速借りてきました。
 冒頭、獅子心王リチャード1世が出てきて、ロビン・フッドは12世紀に活躍した(ということになっている)人物なんですね。このイングランド王リチャード1世はフランス王フィリップ2世と共に十字軍に参加していたんですが、仲たがいして現在は敵同士。フランスで城攻めの最中戦死してしまいます。後継は弟のジョンなんですが、このジョンは裏でフィリップ2世と手を結んでいるという奇奇怪怪。おまけに後にはフィリップ2世と戦争に突入して負け、税金を値上げして?貴族から『ええかげんにセエ!』と言われて危うく王権を失いかけます(マグナ・カルタ)。マグナ・カルタが出てくるとおぼろげながらそんな時代なんだと納得しますね(高校の世界史で習います)。
 こうした背景で義賊ロビン・フッドが活躍します、なるほど。

 王が死んだために、大義名分を失ったイングランド軍は撤収を開始します。イングランド軍の兵士であるロビン(ラッセル・クロウ)もフランスを逃げ出しますが、途中でフランス軍に襲われた同僚を助けます。これがリチャード1世の死をロンドンに伝える使者で、死に際にロビンに剣を託し故郷シャーウッドの父親の元に届けることを依頼します。なるほど、これでロビン・フッドとシャーウッドが結びつきます。
 シャーウッドへ剣を届けたロビンは、この父親ロクスリー卿によって死んだ使者の奥さんマリアン(ケイト・ブランシェット)と結婚させられ跡継ぎとなります。

 ここまでが、ロビン・ロングストライド世に登場するまでの背景で、ここからがロビンが義賊ロビン・フッドになるまでのお話。

 イングランドを征服しようと云うフランス王フィリップ2世が密偵を放ってイングランド王を継いだジョンと貴族を仲違いさせます。この時貴族がジョン王に認めさせるのがかの『マグナ・カルタ』。この混乱に乗じてフィリップ2世はイングランドを攻め、ロビン(ロクスリー卿)を始めイングランド貴族は結束して戦い勝利を納めます。このジョン王というのがいい加減な奴で、戦いに勝つと手のひらをかえした様に『マグナ・カルタなんか知らない』と言いだし、あげくの果てはロビンを謀反人に仕立ててしまいます。義賊ロビン・フッドの誕生です。

 という具合に、ロビン・フッド誕生秘話と歴史の勉強にはいいのですが、映画として完成度というと今ひとつです。ロビンがマリアンが出会う前半はよくまとまっていますが、マグナカルタあたりから歴史を意識しすぎてストーリーが荒くなり娯楽性に欠けます。フィリップ2世とジョン王の離反して戦争に至る過程、反目していたジョン王とロビン、貴族が協調してフィリップ2世と戦うあたりも説明不足です。『グラディエーター』の様にはいかなかったようです。
 不満も多いのですが、ふたつほど見どころを。ひとつはラッセル・クロウとケイト・ブランシェットの中年のロビンとマリアンの描写です。結婚1週間で夫は戦地へ旅立ち、10年経って夫の戦死を伝えに来たロビンと夫婦となるマリアンの途惑い、恥じらい、喜びを演じるケイト・ブランシェットはさすがです。もうひとつは、12世紀イングランドの森と農園、リドリー・スコットならではの映像です。

監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ ケイト・ブランシェット マーク・ストロング ウィリアム・ハート 

リドリー・スコット全作品

デュエリスト (1977) ⇒キース・キャラダイン、ハーヴェイ・カイテル
エイリアン (1979) ⇒シガニー・ウィバー
ブレードランナー (1982) ⇒ハリソン・フォード
レジェンド・光と闇の伝説 (1985) ⇒トム・クルーズ
誰かに見られてる (1987) ⇒トム・ヴェレンジャー
ブラックレイン (1989) ⇒マイケル・ダグラス
テルマ&ルイーズ (1991) ⇒スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス
 1492コロンブス (1992) ⇒ジェラール・ドパルデュー
白い嵐 (1996) ⇒ジェフ・ブリッジス
G.I.ジェーン (1997) ⇒デミ・ムーア
グラディエーター (2000) ⇒ラッセル・クロウ
ハンニバル (2001) ⇒アンソニー・ポプキンス
ブラックホーク・ダウン (2001) ⇒ジョシュ・ハーネット、ブラック・ホーク(ヘリコプター)
マッチスティック・メン (2003) ⇒ニコラス・ケイジ
キングダム・オブ・ヘブン (2005) ⇒オーランド・ブルーム
プロヴァンスの贈りもの (2006) ⇒ラッセル・クロウ
アメリカン・ギャングスター (2007) ⇒テンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ
ワールド・オブ・ライズ (2008) ⇒レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ
★ロビン・フッド(2010米) ⇒ラッセル・クロウ、ケイト・ブランシェット

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コメント 2

@

なんか話を勘違いしてませんか?
>このジョンは裏でフィリップ2世と手を結んでいるという奇奇怪怪。
は完全に間違っています。映画のどこを見て勘違いしたのでしょう?
フィリップと手を結んでいたのはゴドフリーであり、ゴドフリーはジョンを騙しているという話です。
勘違いで批判しないでください。
by @ (2011-05-10 22:15) 

べっちゃん

映画では描かれませんが、十字軍の遠征でリチャード1世イングランドを留守にしている間、ジョンはフィリップ2世の後押しできな臭い動きをしています。そうした背景でゴドフリーというキャラクターが生み出されたんでしょう。プランタジネット朝も元はフランスですから、当時のフランスとイギリスの関係は、それこそ奇々怪々です。
by べっちゃん (2011-05-11 05:01) 

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