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映画 永遠のこどもたち(2008西墨) [日記(2011)]

  永遠のこどもたち デラックス版 [DVD] ギレルモ・デル・トロ(パンズ・ラビリンス ヘルボーイ)の文字があったので迷わず借りてきましたが、監督ではなく製作総指揮でした。しかしギレルモ・デル・トロが一枚噛んでいるだけあって、なかなかのダーク・ファンタジーに仕上がっています。

 孤児であったラウラ(ベレン・ルエダ)は、障害者の支援施設を作るために自分が子供時代を過ごした岬に建つ孤児院を買い取ります。医師の夫と、養子シモンとともにこの孤児院に住み始めます。誰もいるはずのない孤児院で、シモンは友達を見つけ遊び始めます。当然、この友達は、シモンには見えるがラウラたち大人には見えないわけで、何処かで見た(聞いた、読んだ)話だと思いながら、ゾォ~“ユウレイ?”と思うわけです。おまけに謎の老婆なんかが現れ、実は昔の孤児院のスタッフだったりして、古い写真に写ってはいるが、当時孤児院にいたラウラの記憶からはすっぽ抜けていたり・・・思わせぶりで怖いです。
 この“怖い”というのは、オドロオドロシイものが登場しそうで登場せず、観客の想像力を刺激することで恐怖をかきたてる「出るぞでるぞ・・・でも出ない」というホラーの王道です。

 これも定番ですが、パーティーの最中にシモンが忽然と消えます。ラウラはそれこそ半狂乱でシモンを探しますが、シモンは見つかりません。シモンが血の繋がらない養子というのもこの映画のミソです。エイズのキャリアであり何歳まで生きられるか分からないシモンを、ラウラは赤ん坊の頃から育てています。映画の中で、重要なのはシモンとともに暮らした年月、その思い出だ、みたいな事をラウラが言っています。 子供に対する愛情はなにも血のつながりだけではないのだ、人と人とのつながりもまた然り、と言っている様です。これは、ラウラが孤児院で共に過ごした子供達を暗示しているわけで、ありていに言えば、二十数年前のラウラと孤児達との関係、思い出が霊となってこの孤児院に棲みついている、その霊にシモンが反応したということです。では、子供達は死んでいるのか?シモンは何故消えたのか?ここまでがホラーでありミステリーです。謎解きがあり真相が判明して、そして最期にホラーがファンタジーに昇華します。この辺りが、製作総指揮: ギレルモ・デル・トロなんでしょうか。
 ニコール・キッドマンの『アザーズ』と似ていなくもないですが、こちらの方がダークです。

 ラウラを演じるベレン・ルエダは、『海を飛ぶ夢』で尊厳死を求める主人公を助ける弁護士だそうで、そう言えば。驚いたのは、霊媒師としてジェラルディン・チャップリンが出演していることです。『ドクトル・ジバゴ』のトーニャです。当たり前ですが年老いてもやはりトーニャでした。

監督: J・A・バヨナ
製作総指揮: ギレルモ・デル・トロ
出演:ベレン・ルエダ フェルナンド・カヨ ロジェール・プリンセプ ジェラルディン・チャップリン

永遠のこどもたち.jpg トーニャ.jpg
霊媒師                        トーニャ(ドクトル・ジバゴ)

アァッ~記事が2,000。



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