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映画 ホワット・ライズ・ビニース(2000米) [日記(2012)]

ホワット・ライズ・ビニース〈特別編〉 [DVD]  ハリソン・フォードが悪役を演じると云う珍しい映画です。“What lies Beneath”ですから、「何かが下にいる」ということになります。

 あれれ、監督が先日見た『キャスト・アウェイ』のロバート・ゼメキスでおまけに制作も同じ2000年。1年に2本はやっつけ仕事になりません?。
 登場人物は、大学教授のノーマン(ハリソン・フォード)と専業主婦のクレア(ミシェル・ファイファー)のほぼ2人。この2人によるサイコ・スリラー + ホラーです。

 ノーマンとクレアは一人娘を大学の寮に入れてふたりだけになり、父親の遺産である湖畔の別荘に引っ越してきます。絵に書いたように幸せな夫婦ですが、新しい隣人が引っ越してきたことでこの関係が少しずつ崩れ始めます。最初は隣人夫婦の諍い、次いで隣の夫人の何かに怯えているようなヒステリー。 クレアは専業主婦で娘もいなくなってヒマを持て余す身ですから、興味津々。ついには、引越しの挨拶をかねて隣家を偵察に出かけ、そこで発見したのが血の付いたサンダル。やがて隣家の夫人は姿を消し、この頃からクレアの家に異変が起こり始めます。TVのスイッチがひとりでに入ったり、囁くような声が聞こえたり、背後で突然ドアが閉まったり...。

 クレアの妄想は次第に膨らみ始めます。隣の夫人は夫に殺され、その霊がクレアの家に来て異変を起こしているのだと思い込みます。浴槽の水を止めに行き、クレアは覗きこんだ水面に自分以外の影=幽霊を見るに及んで、その恐怖は頂点に達します。クレアの妄想か実際に霊は存在するのか?この辺りは音響効果もあってなかなか怖いです。

 隣家の夫婦喧嘩と夫人失踪がトリガーとなってクレアの妄想が膨らむには、実は伏線が用意されています。それは1年前の事故らしいのですが、映画ではハッキリとは明かされません。1年前に何かが起こり、事故も自殺未遂だった様です。クレアはこの事実を意識下に押し込み、忘れたふりをして幸せな妻を演じて来たわけですが、隣家の夫婦が引き金となって1年前の事件とクレアが置かれている現実が徐々に明らかとなります。

 サスペンスですからこの辺りでネタバレは止めますが、この映画の面白いところは、ささいな事がキッカケとなって、ノーマンとクレアの“ What lies Beneath”が明らかになることです。そして、多かれ少なかれ夫婦という関係には“ What lies Beneath”なものが眠っているということです。

 ロバート・ゼメキスは、いいところまでヒッチコックに迫ったのですが、最後の詰めが甘かったですね。恐怖というのは観客の想像力の問題ですから、幽霊がバァ~ンと姿を現しては恐怖も半減します。おまけに、ノーマンが半端な殺人鬼になって因果応報で果てるに至ってはねぇ。
 と文句は多いですが、なかなか良くできた映画です。出来れば、サイコ・スリラー + ホラーの「ホラー」が無いと良かったんですが。

監督 ロバート・ゼメキス
出演:ミシェル・ファイファー ハリソン・フォード

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