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映画 プロメテウス(2012米) [日記(2013)]

プロメテウス [DVD]
 遅ればせながらDVD借りてきて見ました。『エイリアン』の前日譚です。

 「人類の起源」をテーマに、『エイリアン』のスペースジョッキーとあの奇妙な宇宙船が登場するエイリアン誕生秘話です。人類は何処から来たのか?と云う謎が追求されるのか、と云うとそうでもありません。シリーズのウリであるエイリアンとの戦いが中心のSFアクションです。

 考古学者エリザベスとチャーリーはスコットランドの島で35000年前の壁画を発見します。壁画に描かれていたのは星を指さす“巨人”。世界各地で発見された古代の遺物を解析すると、巨人は異星人でその故郷の星が割り出されます。この巨人が人間を創ったのではないかという仮説のもとに、民間会社が探検隊を送り込みます。宇宙船の名がそのものずばり“プロメテウス”。
 原人と現生人類をつな化石が発見されないことから、人間は宇宙人によって作られたという話は古くから(といっても1960年代から)あります。これをそっくり頂戴して、2093年の人類が自分たちを創った宇宙人に会いにゆく、というのがこの映画です。
 人間を創ったわけですから、それは宇宙人=創造主=神という話に行くことも可能ですが、そっちへは行きません。人間が宇宙人によって作られたという前提のこの映画でも、主人公エリザベスは十字架を離しません。キリスト教国でこの問題に踏み込むと、非難されるんでしょうね。
 ということで、冒頭に人間そっくりの巨人(宇宙人)が自分の身体を滝壺に投じて、人類創造のためにDNAをバラ撒きます。

 プロメテウス号は、創造主(映画では人間を創ったエンジニアと言い換えています、以下エンジニア)の故郷の星にたどり着き、探検が始まります。この星でエイリアンと闘うわけで、『エイリアン』を踏襲した構図となっています。

強いヒロイン:リプリー=エリザベス(ノオミ・ラパス)
アンドロイド:アッシュ=ビショップ=デヴィッド(マイケル・ファスベンダー)
スペース・ジョッキー:エンジニア

 シリーズを通じてのヒロイン・リプリーも強かったですが、エリザベスも意志の強い女性として設定されています。リプリーはエイリアンの子供を生みその子供を殺しますが、エイリアンの子供を宿したエリザベスは自動手術システムを使って自ら帝王切開してこれを殺します(妊婦の方は見ないほうがいいでしょう)。

 アンドロイドは、一貫して会社が派遣したお目付け役です。アッシュはエイリアンを地球に持ち帰ろうとして破壊され、ビショップはリプリーを助けます。デヴィッドはどうかというと、完全な会社の回し者で、今回の探検の影のリーダー。エンジニアと意思疎通が図れるように古代語を習得し、なんとエンジニアの宇宙船の操縦まで出来ます。今回、このデヴィッドが一番ミステリアスな存在です。

  『エイリアン』ではスペース・ジョッキーは化石で登場しましたが、『プロメテウス』ではその正体が明らかになります。地球で原人のDNAに細工して自分たちに似た人間を作り出した創造主というわけです。プロメテウス号が到着した星は、エンジニアがエイリアンを育てる実験場だったいう設定で、エンジニアはエイリアンに襲われて全滅したということの様です。おまけに、生き残りのひとりがエイリアンに襲われ、身体を食い破ってあのお馴染みの頭の長いエイリアンが登場します。
 乗組員が死亡し、プロメテウス号をなくしたエリザベスとデヴィッドはエンジニアの宇宙船で、エンジニアの故郷星を目指します。

 続編があるらしく、『プロメテウス』ではその伏線が謎としていろいろ用意されています。

 エンジニアは、何故人間を創ったのか?、エンジニアの宇宙船を操縦できるデヴィッドの目的とは何か?、惑星のエンジニアは、エイリアンに襲われる間際まで地球を目指していた、何故か? 等など。

 言い出したらキリがないほど粗い脚本で、これがリドリー・スコット?と疑いたくなります。「人類の起源」という大風呂敷を広げたのですから、ぜひ続編で答えて欲しいものです。

監督:リドリー・スコット
出演:ノオミ・ラパス シャーリーズ・セロン マイケル・ファスベンダー ガイ・ピアース マイケル・ファスベンダー

エイリアン   (リドリー・スコット)
エイリアン 2 (ジェームズ・キャメロン)
エイリアン 3 (デヴィッド・フォンチャー)
エイリアン 4 (ジャン=ピエール・ジュネ)

 


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