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BSシネマ ビフォアー・サンセット(2004米) [日記(2013)]

ビフォア・サンセット [DVD]
  『恋人までの距離 ディスタンス』の続編です。うまい具合に、正続立て続けに放映してくれました。と言うか、NHKに乗せられて「駄作」?を2本見たといえなくもないです。

 『恋人までの距離 ディスタンス』で、列車で知り合ったアメリカ青年ジェシー(イーサン・ホーク)とフランス女性セリーヌ(ジュリー・デルピー)が、ウィーンで途中下車し一晩街を彷徨うという、現代ではまれに見る「純愛」映画でした。ふたりは、6ヶ月後の12月に再会を約してホームで別れていますから、続ではこの「再会」が焦点になります。はたしてふたりはどんな再会を果たしたのか。

 ジェシーは、セリーヌとの出逢いと別れを小説に書いて、新進の小説家となっています。パリの書店で、ジェシーのサイン会が開かれ、この書店でふたりは9年ぶりに再会します。
 ジェシーは、その夜の飛行機でアメリカに帰る予定で、またもふたりに残された時間‘Before Sunset’まで、パリの街を彷徨いながら語り合います。今回も出演はイーサン・ホーク、ジュリー・デルピーの実質ふたりだけ。

 9年ぶりですから、前作で約束した12月のウィーンでの再会は果たせなかったようです。約束の12月にジェシーはアメリカから駆けつけたようですが、セリーヌはブダペストお祖母ちゃんが亡くなって、行くことができなかったとのこと。連絡先を交換していなかったため連絡がとれず、セリーヌはジェシーのサイン会を知って現れたということです。
 前回のふたりの会話は、口説くキッカケを探る無意味な言葉のキャッチボールでしたが、今回は少し違います。失った9年間を取り戻す会話となります。会話に特別な意味はありません。いろんな話が出ますが、要は、おれは、わたしは、ウィーンでの一夜を9年間ずっと想い続けていたんだよ、という会話です。

 セリーヌは大学を卒業して今は環境保護団体に勤め、報道写真家の恋人がいるのですが、戦場を飛び回っている恋人とはたまに会う程度。毎日顔を突き合わせていれば、鼻につくとか言っています。 
 ジェシーは結婚して子供もある小説家。大学で知り合った女性と結婚したのですが、それも彼女が妊娠したからで、結婚してもsexは数えるほど、今では子供だけが生きがいという満たされない生活。 
 
 ふたりは今もウィーンの一夜が忘れられず、セリーヌは恋はするが結婚はできず、ジェシーは結婚はしたものの子供以外生きがいがないという、互いに満たされぬ生活を披露し合います。全部、9年前の出逢いとすれ違いが原因だと言わんばかり。ジェシーはあの出会いを忘れないために小説を書いたのだと言います。 
 面白いですね。ウィーンの一夜といっても、街を彷徨いただただ会話するだけで何も起こらなかったのですから。たった十数時間の逢瀬が、その後の9年間を規定するものかどうか。規定するというのがこの映画の‘みそ’です。
 
 ふたりはセーヌ川の観光船に乗り、飛行機の時間を気にしながら、セリーヌのアパートへ行きます。時間が迫っているにもかかわらず、ジェシーは腰を落ち着けてくつろぎ、セリーヌはギターを弾いて歌を聴かせます。
 これでお終い、後は観客が自由に想像してよ、というエンディングです。

 では想像します。ジェシーは、予約した飛行機に乗らなかった筈です。9年前に失った恋と9年の空白を取り戻すためたに、アメリカの妻と離婚しセリーヌと結婚するでしょう。そしてジェシーとセリーヌを待っていた人生とは何か?。恋というものが如何に崩れやすい幻想であったという現実なのか、それを乗り越えて愛を育てる結婚なのか。
 第3作『ビフォア・ミッドナイト』が2014年1月に日本でも公開されます。このビフォアー・シリーズのマーケットを考えると、辛口の映画にはなることあり得ませんね
 
 でお薦めかというと、 恋人までの距離 ディスタンス』が気に入った人は見るでしょうが、どうもオジサンの見る映画ではなかったようです。

監督:リチャード・リンクレイター
出演:イーサン・ホーク ジュリー・デルピー

タグ:BSシネマ
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