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life log 2014年 [日記(2014)]

夫婦善哉 (新潮文庫)
文人悪食 (新潮文庫)オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
 今年も終わってしまいます。あれもこれもと計画はあったのですが、考えてみれば大したことしてませんねぇ。
 
【偏見読書】
・織田作之助
 きっかけは、小説家の「食」を扱った嵐山光三郎の『文人悪食』です。食い倒れの街・大阪の生んだ織田作が登場しないのはオカシイと、変な動機で読みました。代表作『夫婦善哉』には大阪の食があふれているじゃないですか。意外と面白いので、(無料だし)kindleで青空文庫を読むことになりました。『わが町』を読んで映画まで見てしまい、6月はもうオダサクどっぷり。ついでに坂口安吾、檀一雄の無頼派も...。
 33歳で夭折した織田作の魅力は、大阪へのこだわりと、全編これ青春小説であることです。仕出し屋の息子が、将来を嘱望されて三高に入り、彷徨の果てに小説家になるという、織田作の青春そのものが語られているところでしょう。昭和10年代の暗い時代を発禁を受けながらも阿らずに秀作を発表し、戦後、風俗小説を書きまくって自爆するように果てたその無頼ぶりです。

・米原万里
 ノンフィクション『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』がめっぽう面白かったので、すかさず小説『オリガ・モリソヴナ反語法』、エッセイの『不実な美女か貞淑な醜女か』。その語り口と才媛振りは脱帽ものです。56歳で亡くなられましたが、生きながらえていれば、どんな傑作が生まれたかと惜しまれます。
 スターリン体制下で生きたオリガ・モリソヴナの反語的人生は感動的です。1992年の現在と1960年代のプラハ、そして1930年代ソ連と次々にタイムトラベルを繰り返し、その三重構造のなかでオリガ・モリソヴナの過去が次第に明らかになる辺りは、良質のミステリーです。

・嵐山光三郎
 『文人悪食』は面白いです。嵐山光三郎は料理評論家だと思っていたのですが(これも食に関する話ですが)、小説に現れた食を俎上に並みいる文豪をなで斬り。痛快の一言です。鴎外が饅頭の茶漬けを喰った話から、藤村を「藤村は粗食淫乱の人である」と決めつける辺りなど、痛快を通り越して怖いくらい。
 気を良くして『文人暴食』『追悼の達人』を読みました。芭蕉についての著作もあるようですから、引き続き読んでみます。

【ネタバレ映画館】
 取り立てて見たい映画が無いので、NHK・BSのプレミアムシネマが中心です。流通していない「名画」を見ることが出来たり、たまたま見た映画が面白かったりで、なかなか楽しいです(もっとも駄作もありますが)。古い映画に面白いものがあります。『ミネソタ大強盗団』はDVDになっていませんが、アメリカンニューシネマを彷彿とさせる西部劇です。西部劇を放映してくれるのありがたいです。小津安二郎の『浮草』も地味な映画ですが、これもよかった。古い映画に見るべきものがありそうななので、来年はこの辺りです。
 邦画を見ていると、日本語ですから科白から「言葉のアヤ」というものを感じることができます。洋画は字幕なので、この辺りが全く分かりません。原語で映画を見ればまた違った世界が見えるのでしょうね。日本人は日本の映画ということで、来年は邦画の秀作を探してみます。
 
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【ウォーキング】
 相変わらずの槇尾山界隈を歩きました。ダイトレは、紀見峠→金剛山、金剛山→大和葛城山を歩いて、残りは葛城山→二上山です。来年は、これと、実家から通える「鈴鹿セブンマウンテン」を登ろうかと思っています。

【スマートフォン、貧乏パソコン】
 スマホで遊びました。Xperia acroHD,XperiaZをオークションで入手して、シングルコアのarcから脱出できました。acroHDはLineと050+を入れて格安スマホに仕立て家族に進呈し、Zはrootを取って常用にしています。勢いづいて、バッテリが保たないので放ってったArrows F-10Dを、これもrootを取ってMVNOテザリング機に仕立てました。古いスマホも、脱docomo化を図れば、まだまだ生き延びることができます。
 久々にノートPCを手に入れました、当然used。dynabook K33という法人向けのノートですが、なかなか堅牢です。3kgと重いのでモバイルは出来ませんが、このノートとF-10Dを実家に置いて、自宅と同じPC環境を作ろうと思います。スマホもPCも、今の環境でそれほどの不満も無いので、当分打ち止です。
 
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【ラジオ少年】
 歳をとって億劫になったのか、殆ど進んでいません。MX-6を入手して少し遊んだのですが、実用には至っていません。来年はこれを持って山歩きです。古いオシロも入手したのですが、押し入れで眠っているので、日の目を見させないと。

 と、やり残したことの多い2014年でした。

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