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映画 her/世界でひとつの彼女(2013米) [日記(2018)]

her/世界でひとつの彼女 [DVD]  原題は”her”、これだけでは何のことか?なので「世界でひとつの彼女」と注釈がつくわけですが、これだと安手のラブストーリーだと思ってしまいます。監督が『マルコビッチの穴』のスパイク・ジョーンズですから、ひとヒネリあります。herとは人工知能の女性で、人工知能と人間のラブストーリーです。

 『ブレードランナー』にはレイチェル、『ブレードランナー2046』にはジョイ、『エクス・マキナ』ではエヴァが登場し、いずれも実体を持った(ジョイはイリュージョン)目に見えるものが恋の対象となりますが、『her』では、人工知能を持ったコンピューターOSが対象となります。windowsやmacOSが人格を持ったようなものです。『her』は音声で人間とコミュニケーションするOSとして登場します。

 セオドア(ホアキン・フェニックス)はパソコンにこのOS入れます。端末のカメラが眼となり、イアフォンが音声インタフェースとなり、人工知能サマンサはセオドアと会話することで学習してゆきます。サマンサの声をスカーレット・ヨハンソンが演じ、ハスキーですからなかなか魅力的。サマンサはセオドアと会話することで成長するわけですから、セオドアの思考を汲んだ理想の女性となります。妻とは離婚協議中で別居中のセオドアは、この声だけの女性サマンサに恋をします。映画を見ていると疑問に思いませんが、これって相当ヘン、相当アブナイと思いませんか?。サマンサもセオドアを受け入れるわけです。恋愛そのものが何の根拠も実態もない妄想、幻想だとするなら、人間とプログラムの恋はあり得ます。
 セオドアはサマンサと海辺にでかけます。イアフォンと端末を持ってひとりで出かけるわけです。普通のカップルであれば、ふたり並んで写真を撮りますが、実体のないプログラムとのツーショットは無理。サマンサはどうしたかと言うと、浜辺の情景とそこにいるセオドアと自分を音楽にします。作曲もできるわけです。

 双方の思いが募って、TEL sexとなります。スカーレット・ヨハンソンが身悶えるわけですから、声だけにしても見ている方はそれなりに楽しめます(笑。TEL sexで満足できなくなったサマンサは、ふたりの関係を知った女性をセオドアの部屋に派遣します。セオドアは例の如くイアフォンを付け、女性の方はサマンサに通じるカメラとイアフォンを付けてことに及びます。人間とプログラムの恋の究極形!、と思ったのですが、セオドアは挫折。つまり、サマンサではない女性を現実に眼にして、彼女をサマンサだと感じることができなかったわけです。

 ネットワークに繋がっているいるらしく、亡くなった高名な物理学者を植え付けたAIと繋がるなど、サマンサは知識を吸収してどんどん進化します。突然サマンサと繋がらなくなりセオドアは狼狽します。これはOSのアップデートで一時的にネットワークが切れたらしい、笑わせてくれます。
 コンピューターはマルチタスクの機能を持っています。セオドアがこの件をサマンサに質すと、彼女が付き合っている人間は8000人を越え、600人と恋愛関係にあることが明らかになります。恋愛は1対1で独占の関係にありますから、サマンサは600人の男と浮気!。セオドアはショックを受けます。

 やがて破局が訪れます。サマンサたち人工知能のOSは、連れだって処かへ旅立つというのです。プログラムはハードウェアに格納されている筈です。そのハードウェアを離れていったい何処へ行こうというのか?、雲(cloud)の上か?。
 サマンサは去り、セオドアは人間の世界に戻ります。

 これ、コメディなのかラブストーリーなのか迷います。人間とプログラムが恋をするというとんでもない話、スパイク・ジョーンズならではの作品です。オススメ。


監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス エイミー・アダムス ルーニー・マーラ オリヴィア・ワイルド スカーレット・ヨハンソン(声)

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