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映画 ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017米) [日記(2019)]

ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 ブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]  原題は”The Post”、ワシントン・ポストのことです。ワシントン・ポストといえば、時の大統領ニクソンを辞任に追い込んだウォーターゲート事件の報道(1972)が有名です。その1年前の1971年、ベトナム戦争についての政府調査文書「ペンタゴン・ペーパーズ」の暴露記事をめぐる話です。

 ストーリー自体は単純で、国民に知れてはまずい政府の機密文書をニューヨーク・タイムスとワシントン・ポストがスッパ抜きます。政府(大統領)は記事差し止め訴訟をおこし、最高裁で「言論の自由」が認められます。話はそれだけなのですが、ワシントン・ポストにとっての問題は、資金調達のため株式公開の時期と重なったこと。
 機密文書を記事にすれば、訴訟となり株式公開に差し支えるばかりか、発行人と編集主幹が収監され、新聞の存続に関わる事態となります。記事にしたい編集主幹のトム・ハンクスと、法律上問題ありとする顧問弁護士の間で、オーナーで発行人のメリル・ストリープは苦渋の決断を迫られます。メリル・ストリープはジャーナリストの良心を選択し、かつ裁判でも勝ち、アメリカの良心は守られた、みたいな話です。

 wikipediaによると、スピルバーグは、『レディ・プレイヤー1』の制作途中に、この『ペンタゴン・ペーパーズ』をわずか6ヶ月で完成させたとのこと。スピルバーグにとって、この映画をこの時期(2017年12月)に公開することに意味があったわけです。1971年に起こったマスメディアと政府の「言論の自由」をめぐる闘いを、46年経った2017年に取り上げる裏には、マスコミと対立するトランプとの対決姿勢以外の何ものでもないでしょう。
 そうした意図でスピルバーグがメリル・ストリープとトム・ハンクスを口説けば、ふたりは当然OKです。映画としては地味で盛り上がりに欠けますが、スピルバーグの心意気で星三つですね。映画界もこれを評価したのか、アカデミー賞はじめ各賞にノミネート(ニューヨーク映画批評家協会賞が取り上げていないのは気になりますが)。観客動員数もマズマズみたいで、民主党支持者が観に行ったんでしょうか(笑。

監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:メリル・ストリープ トム・ハンクス

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