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映画 ボーダーライン(2015米) [日記(2019)]

ボーダーライン スペシャル・プライス [DVD]  原題”Sicario”、暗殺者。『ウィンド・リバー』の監督テイラー・シェリダンが脚本を担当しています。メキシコ国境に壁を作るとかいう話があります。アメリカの麻薬はメキシコから国境を超えを運ばれます。このルートを遡ってメキシコの麻薬カルテルを潰す話です。

 FBIのケイト(エミリー・ブラント)は捜査経験を買われ、CIAのマット(ジョシュ・ブローリン)にリクルートされます。CIAは国内活動を禁じられているため、FBIをダミーに麻薬カルテルを潰す作戦に参加します。マットとともにこの作戦の中核を担うのがアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)。流暢なスペイン語を話すアレハンドロは、CIAでもなくどうやらアメリカ人でもない謎の人物。

 マットの一隊は、カルテルの幹部を引き取るためメキシコの街に向かいます。帰路の高速道路で、幹部の奪還を企てるカルテルの襲撃を受け銃撃戦となり、一般人を巻き込みかねないこの戦闘にケイトは疑問を感じ始めます。カルテルのマネーロンダリングをつかんだケイトは、マットに幹部の逮捕を要求しますが、組織トップの抹殺を目論むマットはこれを拒否。ケイトはFBIの上司に訴えるも、政府上層部が関与している作戦であり、FBIは関与できず、政府がCIAを使い違法手段に訴えてでもメキシコの麻薬カルテルを潰そうとしている実態が明らかになります。政府転覆、暗殺と過去CIAが手を染めてきた違法行動が、麻薬という限られた局面(麻薬戦争)では未だ堂々と行われているということであり、ケイトはそのために利用されたのです。

 後半明かされますが、アレハンドロは、妻子をメキシコのカルテルに殺された、復讐のためコロンビアの麻薬組織に雇われた元検事。CIAは、復讐を目論むアレハンドロを、カルテルの中心人物を倒す暗殺者に仕立て上げたというわけです。ケイトは、CIAに利用され国家のダーティーな部分を見せられても手も足も出ず、麻薬戦争に翻弄される一FBI捜査官。原題の示すように真の主人公は暗殺者・アレハンドロ、という映画です。
 麻薬戦争に巻き込まれたケイト、クールな暗殺者のアレハンドロ、影で操るマット、と登場人物が際立っており、麻薬戦争をシリアスに描きアクションも十分でオススメです。続編『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』もあり、こちらも脚本はテイラー・シェリダン。ちなみにドゥニ・ヴィルヌーヴは、『ブレードランナー 2049』の監督でもあります。

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ脚本:テイラー・シェリダン
出演:エミリー・ブラント ベニチオ・デル・トロ ジョシュ・ブローリン ダニエル・カルーヤ

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