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映画 特捜部Q Pからのメッセージ(2016デンマーク他) [日記 (2020)]

特捜部Q Pからのメッセージ [DVD]

 『特捜部Q』という野暮ったいタイトルですが、有名なデンマークのミステリの映画化です、しかも第3作。このシリーズの魅力は、ストーリーもさることながら、警察組織から弾き出された刑事カール、助手でシリア移民のアサド、多重人格の秘書ローセ、アウトサイダーの3人のコンビネーションにあります。「特捜部Q 」は、コペンハーゲン署の地下にあるカールの「追い出し部屋」。メンバーはこの3人のみで、決まった仕事は無く、未解決の事件を掘り起こし追い上げ、次々と解決し...ということになります。

 7年前に海に流された、助けを求めるボトル・メールが特捜部Qに持ち込まれます。カール、アサド、ローセの3人が動きだします。メールは誘拐された子供が書いたもので、宗教が関わっていることを突き止めます。捜査からキリスト教の異端が浮かび上がり、7年前のボトルメールから、現在進行中の誘拐事件が炙り出されます。ローセが調べ、カール、アサドの奮迅の働きで事件は解決するわけですが、『特捜部Q』シリーズの特徴は、犯行動機に工夫が凝らされていることです。今回の動機は「宗教」。

 犯人には、幼い頃に信仰熱心な母親から受けた虐待のトラウマがあり、信者に神の不在を思い知らすために子供を誘拐して殺すという犯罪を繰り返している、という設定。日本のミステリではちょっとあり得ない設定ですが、宗教のファナティックが犯罪のファナティックに転じるという狂気が、面白いです。

 この殺人犯を『コン・ティキ』のポール・スヴェーレ・ハーゲンが演じ、正気と狂気を行き来する演技はなかなかのものです。

 『檻の中の女』『キジ殺し』は映画化されていますが、小説の方が断然面白いです。新作は出ませんが、2018年に『カルテ番号64』が映画化されているようなので、そのうち借りてきます。

監督:ハンス・ペテル・モランド
出演:ニコライ・リー・コス ファレス・ファレス ポール・スヴェーレ・ハーゲン

当blogの 『特捜部Q』、いずれもハヤカワ・ポケット・ミステリ
特捜部Qー自撮りする女たちー
特捜部Q―吊された女-
特捜部Q―知りすぎたマルコ-
特捜部Q―カルテ番号64-
特捜部Q―Pからのメッセージ― 
特捜部Q―キジ殺し―
特捜部Q―檻の中の女―

タグ:映画
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