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映画 ミケランジェロの暗号(2011墺) [日記 (2020)]

ミケランジェロの暗号 [DVD]  原題”Mein bester Feind”、my best friendで親友。「親友」ではタイトルとして弱いので、『ダ・ヴィンチ・コード』を連想する邦題を付けたのでしょうね。ミケランジェロの絵がストーリーの鍵ですから間違いではないのですが、タイトルとしては「親友」の方がストーリーを正確に表しています。いわゆるナチスものです。

 舞台は1943年、ナチス支配下にあるウィーン。ことの発端は、ユダヤ人で画廊の経営者カウフマンの所有するミケランジェロの絵画。ヒトラーがこの絵をムッソリーニにプレゼントするとかで、ウィーンのナチスが徴発を企てます。ナチスと美術品略奪は、ヒトラーが落第画家でゲーリングが美術収集家だったこともあり、映画の格好のテーマのようです。

 ナチスがカウフマンからミケランジェロを奪おうとしたのは、親衛隊(SS)の大尉となったカウフマンの使用人の息子スメカルがチクったため。カウフマンは、贋作をこしらえて本物を隠匿し収容所送りとなって死にます。この本物のミケランジェロを巡ってカウフマンの息子ヴィクトル(モーリッツ・ブライプトロイ)とSS大尉スメカルがしのぎを削ると言うストーリー。ヴィクトルとスメカルの幼馴染み同士(Mein bester Feind)が、片やユダヤ人、片やナチス親衛隊という時代の枠組みの中で争うことになります。裕福なユダヤ人とその使用人という立場が、ナチスの台頭によって逆転します。悪役スメカルは、ヴィクトルを売りその許嫁のレナを横取り、ヴィクトルは収容所送りとなるという類型的な設定です。

 もうひとつヒネリがあって、スメカルがヴィクトルを護送する飛行機がポーランドの山中に墜落します。レジスタンスに捕まればSSは殺されるとか何とかヴィクトルに脅されて、二人は服を交換しユダヤ人とSSが入れ替わります→ここがキモ。ところが救出に現れたのはドイツ兵で、これ幸いとヴィクトルはSS大尉スメカルになりすまし、スメカルはユダヤ人ヴィクトルとなってストーリーは進行します。一度逆転したふたりの人生が再度逆転。ドイツ軍のエリートSSの制服に身を固めたユダヤ人ヴィクトルはスメカルに言います、「おまえが親衛隊に入った気持ちが分かる」と。これを突っ込めばナチズムの本質に迫れるのですが、サスペンス映画ですからそれはナシw。
 で、入れ替わったヴィクトルとスメカルはどうなるのか、ミケランジェロは何処に隠されたのか?…、という映画です。ユダヤ人とナチス親衛隊大尉が入れ替わるという設定は面白く、これをツッコめばいい映画になったと想うのですが、惜しい。

監督:ヴォルフガング・ムルンベルガー
出演:モーリッツ・ブライプトロイ、ゲオルク・フリードリヒ

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