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映画 ジャック・サマースビー(1993米) [日記 (2021)]

ジャック・サマースビー [DVD]  原題”Sommersby”、主人公の名前。 ひとりの男が南北戦争後の混乱に乗じて別の人物と入れ替わる、別の人物に「なりすます」話です。男の名はジャック・サマースビー。この「なりすまし」のネタを知らない方が面白いのですが、それでは感想が書けないのでネタバレです。リチャード・ギア、ジョディ・フォスターの名前に惹かれて、予備知識無しに観たので面白かったですが、「なりすまし」を知っていても十分楽しめます(映画の方も前半でネタバレしています)。

帰還兵
 南北戦争が終わり、ひとりの男が南軍の帰還兵として故郷の村にたどり着きます。男は、南部の農園主・ジャック・サマースビー(リチャード・ギア)、よく無事に帰ってきたと村人の歓迎を受けます。家には妻ローレル(ジョディ・フォスター)と幼い息子、6年ぶりの帰郷ですから普通であれば抱き合って再会を喜ぶ筈ですがそうならなず、ローレルの表情も何故か固い?。赤ん坊の頃別れた息子は、母親に促されてジャックと抱擁をかわしますが、飼い犬は吠えます。いざ休む時になると、ローレルは「寝室はアッチ」。つまり、この夫婦はジャックが戦争に行く前から寝室を別にしていたようですが、夫を騙る男に身を任せることはできないとも取れます。ジャックは偽物なのか?、ローレルはジャックが偽物であることを見抜いているのか?、この男を夫として受け入れるのか?。ジャックはローレルの疑いを知りつつサマースビーとして振舞います。この辺りのふたりの、特にローレルの心理の「揺れ、綾」が見どころです。

 ローレルがジャックのヒゲを剃るシーンです。彼女は昔を思い出し、長旅から帰るとあなた別人のようだった、わたしの目には危険で、風変わりな男と映ったと言います。ヒゲを剃ったジャックを見て「どこの誰かしら?」と言い、ジャックは「もう一度 お互いに慣れる必要がある」と返し、ローレルは「そうだ」と答えます。ローレルは「アンタはジャックではないが夫として受け入れる」、ジャックは「一から関係を築こう」と言っているわけです。この後ふたりは、オフィシャルでもプライベートでも夫婦を演じることになります。

法廷
 この暗黙の了解に危機が訪れます。ジャックが殺人犯として捕らえられるのです。ジャックは、サマースビーがイカサマ博打を見破られて殺人を犯した容疑で裁かれます。ジャックがサマースビーであれば殺人罪で死刑。ジャックはサマースビーでないことを証明するか、ローレルがジャックを夫でないことを証言すれば、無罪。ジャックとローレルの愛が試されることになります。ジャックは、ローレルとの愛を優先し自らがサマースビーであると主張し、ジャックを助けたいローレルは彼は夫では無いと証言します。

 思わぬ証人が登場し、ジャックはクラーク郡の教師でありサマースビーではないと証言します。さらに、新校舎の建設を持ちかけその資金1200ドルを持ち逃げした。女をはらませて捨てて南軍に入り、戦況が不利となると脱走して北軍に捕まった云々と。ジャックは自らを弁護し、傍聴席の人々に自分がサマースビーであることを認めさせ、さらにローレルを証言台に立たせます。ローレルの口から、何故ジャックがサマースビーでないことを黙っていたのかが語られます。自分には夫が、息子には父親必要だった、何よりもジャックを愛してしまった、と。ジャックは、我々は夫婦なのかと問い、ローレルはイエスと答えます。ローレルが夫婦であることを認めればジャックはサマースビーであるという論理です。判決は有罪、ジャックはサマースビーの名とローレルとの愛を護ったことになりますが、同時に殺人の罪で死刑への道を歩むことになります。果たしてジャックは絞首刑となるのか?。

 「なりすまし」とラブストーリーが適度にミックスされ、サスペンス感もあって、オススメです。

監督:ジョン・アミエル
出演:リチャード・ギア、ジョディ・フォスター、ビル・プルマン

タグ:映画
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Lee

この映画は知りませんでしたが面白そうですね。主役のビッグスターコンビも意外な組み合わせで魅力的です。紹介記事ありがとうございました、ぜひ観たいです。
by Lee (2021-01-22 11:50) 

べっちゃん

面白いかそうでないかは、なかなか難しい問題ですね。今年になってblogに書いた『天使の入江』や『欲望という名の電車』など、面白くないと言えば面白くない映画ですw。
by べっちゃん (2021-01-22 18:54) 

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