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武藤正敏 文在寅の謀略 (2020悟空出版) [日記 (2021)]

文在寅の謀略 すべて見抜いた!  元駐韓大使・武藤正敏氏は『文在寅という災厄』に次いで2冊目、今度は文在寅の「謀略」とエスカレートしています。同氏は、netで反文在寅を盛んに論じる嫌韓派の元大使として有名ですが、本書を読むと嫌韓ではなく嫌文在寅ということが分かります。文在寅大統領は、朝鮮統一のために民主主義を蔑ろにして東アジアの安全保障を脅かす存在として否定されます。2020年3月の発刊ですが、本書の論理と分析はその後の文在寅を見事に言い当てています。

南北統一
 文政権は、北朝鮮に対して徹底して弱腰です。南北連絡事務所を爆破されても、自国民が北鮮軍に射殺されても何も言わず、金与正に文句を付けられると「対北ビラ散布禁止法」(金与正下命法)を作り、国連の北朝鮮人権非難決議には加わらず、米韓合同軍事演習(野外)は3年連続で見送るという「従北」姿勢。一方でシンガポール会談を取り持ち、オリンピック同時開催、開城工業団地の再稼働、観光事業再開だ、道路と鉄道を連結だ北朝鮮の歓心を買いますがことごとく裏目。なぜこうまで弱腰かというと、文政権にとっては南北統一が最重要課題だからだそうです。米韓関係がギクシャクしているのもそのためで、米国は半島から出て行ってもらいたいというのが文大統領の本音だといいます。まして日韓関係など斟酌していません。

586世代の左派国粋主義
 文政権の支持層は「586世代」だそうです。「現在50代で80年代に民主化運動を戦った60年代生まれ」をこう呼びます。彼らの多くは、いわゆるNL系(民族解放系、National Liberation People's Democracy Revolution)と呼ばれるグループの出身で、彼らの思考が文在寅政権の政策に反映しているといいます。

NL系の思考は非常に独特だ。「北朝鮮の国家運営はどの国からも影響を受けない無立的で綺麗なもの」と彼らの目には映る。朝鮮民族の自尊心をくすぐるからだろうか、あるいは、戦わずして独立を与えられた劣等感に拠るものだろうか。いずれにせよ、NL系の人々は北朝鮮を見て「自らの力で国を防衛し、誰の圧力も受けずに国を作っている」と解釈する。いくら韓国が経済的に発展しようと、米国の影響下にあり、日本の支援を受けたような国は民族解放からはほど遠く、価値を認めることはできないのだ。(p40)

 文政権のスタッフには、この思想を持った元学生運動家が多くいるそうです。元大統領府民情首席秘書官、法務部長官の曺国もそのひとり。

韓国の歴史観では「大韓民国臨時政府」が日本からの解放を目指して戦ったということになっているが、臨時政府は国家としてどの国からも認められておらず、当然ながら日本の戦争の相手国にもなっていない。国際法上、当時の朝鮮半島は「日本の一部」だったからだ。(p178)

 日本の一部であった韓国は、戦後の国際秩序お枠組みであるサンフランシスコ条約にも参加していません。サンフランシスコ条約は、日本が朝鮮半島を放棄して朝鮮の独立を認めることしか定めていません。その韓国は、日韓基本条約と請求権協定の「協力金」で「漢江の奇跡」を成し遂げ今日の繁栄を築きます。その繁栄の礎を築いた軍事政権を倒すことが民主化運動であり、民主化運動はこの屈辱の歴史を否定することにも繋がります。文在寅の、従って586世代のスローガン「積弊精算」とは、1965年以降のすべての精算を指します。
 北朝鮮は、抗日パルチザンとして日本と戦った(大韓民国臨時政府は抗日を戦わなかった)金日成が建国した国です。著者のいう劣等感とは、いわば「タナボタ」で独立を果たした韓国の劣等感を指しています。劣等感を拭い去り民族の誇りを取り戻す唯一の道が北朝鮮との統一だというわけです。民族の誇りと劣等感の問題だとすれば、根は深いです。「反日」の根拠もここにあります。
 徴用工判決、慰安婦判決に日本が応じず、アメリカがバイデン政権に変わって、文在寅の発言が軟化してきました。しかし、

(文在寅政権の)自らの政策を反省したり翻意したりするような台詞を耳にして、政権の姿勢を判断するのは危険である。日韓関係には根本的に関心がない以上、周辺で何かが起これば、すぐに態度が変わるからだ。したがって、たとえば日本側が「最近、韓国側の態度が軟化した」などと合点するのは禁物である。
いま、「文在寅大統領の韓国」に譲歩したところで無駄である。彼らは「自分たちが正しいから日本側は降りざるを得なかった」と受け取るだけであり、「韓国側もそれに応じた対応をしよう」などとは考えないからだ。

 日本政府は、見事この言葉通り動いています。言葉ではなく行動で示せと、外相が代わろうが新任の大使が来ようが会おうとはしません。東日本大震災10周年の韓国外相のメッセージにも1週間遅れで「儀礼的」な返信をしただけです。

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