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万葉集の花 (春) [日記 (2021)]

 桃の花がきれいに咲いたので、万葉集に詠まれた花を調べてみました。万葉集には150種を超える草花、樹木が詠われているそうです。そのうち何種類くらい身近(大阪府堺市)で見ることができるのか?と拾ってみました。画像はいずれもblogに載せた古いものです。

(3月24日、自宅の庭)
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 ご近所からいただいた鉢植えの花桃です。
 春の園 紅にほふ桃の花 下照る道に 出で立つ娘子(大伴家持)

(3月1日、和泉市)
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 毎年訪れる近所の梅園です。
春の野に 霧立ちわたり 降る雪と 人の見るまで 梅の花散る(田辺真上)

菜の花(茎立、くくたち、3月12日)
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上野(かみつけの) 佐野の茎立(くくたち) 折りはやし あれは待たむゑ 今年来ずとも(作者不詳)
ポピュラーな春の花ですが、万葉集では1首のみ。当時は茎立(くくたち)と言ったそうで、現在の菜の花とは品種が違うようです。1首のみということは、自生する地域が限られていた?。「折りはやし」というのは、切って調理するすること。万葉人も食べていたようです。

すみれ(3月25日)
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やまぶきの 咲きたる野辺の つぼ菫 この春の雨に 盛りなりけり(高田女王)
 雑草でそのあたり自生しています。目立たないですが、可憐です。

ふきのとう(3月21日)
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 君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ (光孝天皇)
この若菜は菜の花を連想しますが、雪が降っているので、蕗の薹かワラビかも知れません。

椿(つばき、3月24日、自宅の庭)
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あしひきの  山椿咲く八つ峰越え 鹿待つ君が斎ひ妻かも(作者不詳)

(3月26日)
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 近所の公園です。
あしひきの 山桜花日並べて かく咲きたらば いたく恋ひめやも(山部赤人)

馬酔木(あしび、あせび3月29日)
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磯の上に 生ふる馬酔木を 手折らめど 見すべき君が ありと言はなくに(大来皇女)
やはり、馬が食べれば酔っぱらう?。

ノイバラ(3/30)
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道の辺の 茨(うまら)の末(うれ)に 這ほ豆の からまる君を 別れか行かむ(丈部鳥)

ヤマツツジ(3月30日)
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山越えて  遠津の浜の岩つつじ 我が来るまでにふふみてあり待て(作者不詳)
右は、登山道の脇に生えていたツツジです。こういう花が現れるとホッとします。

ヤマブキ(4月16日)
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山吹の 立ちよそひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなく(高市皇子)

かたくり(かたかご、4月27日、葛城山)
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 大和葛城山(959m)のカタクリです。カタクリを見るためにわざわざ登りました。古語では堅香子(かたかご)と言うらしいです。
もののふの 八十娘子やそをとめらが 汲くみまがふ  寺井てらゐの上の 堅香子(かたかご)の花 (大伴家持)

タンポポ
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 在来種タンポポ            白いタンポポもある
タンポポは春の代表的な山野草ですが、万葉集には無いらしいです。当時日本に入っていなかったのでしょうか、不思議。

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コメント 2

Lee

庭の白い小さな釣り鐘状の花は馬酔木だったのですね^^;勉強になりました。母親が以前万葉集にこっていたせいか、かたくりもあるみたいです。
by Lee (2021-03-27 21:52) 

べっちゃん

カタクリは絶滅危惧種らしく、めったに見ることができません。見るためには、わざわざ山登りです。大和葛城山はカタクリとギフチョウが有名で、監視員が巡回していますw。
by べっちゃん (2021-03-28 08:00) 

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