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映画 決算!忠臣蔵(2019日) [日記 (2021)]

決算! 忠臣蔵 [DVD]  久々に日本映画、amazonプライムビデオにあったので観ました。忠臣蔵を塩の流通にからめ、赤穂浪士を倒産したサラリーマンとして描いた堺屋太一『峠の群像』がありましが、この映画も似ています。東大教授の著書『「忠臣蔵」の決算書』が原作だそうです。そう言えば大石内蔵助は綿密な出納帳をつけていたと聞いたことがあります。『武士の家計簿』の流れです。
 赤穂の侍の話ですから全編ほぼ関西弁、吉本のお笑い芸人が多数出演という辺りが面白いです。

 江戸時代に蕎麦は何時でも何処でも16文だったそうです。蕎麦一杯を480円、1文を30円に換算して忠臣蔵の収支決算が描かれます。浅野家が取り潰され、藩士に退職金を払って残った金が790両、9491万円。ここから旅費交通費、武具購入費用、江戸滞在費など仇討ちの費用が支出されます。ストーリーの進行とともに、

2人分の旅費と江戸滞在費233万円
浅野内匠頭供養・仏事費1518万円
    :
残金5429万円

という字幕が頻繁に出ます。四十七士が、浪費だ、いや必要経費だと侃々諤々でやりあうわけですが、関西弁ですからトゲがありません。マァ掛け合い漫才。

 当然主人公は大石内蔵助(堤真一)。これに対するのが勘定方・矢頭長助(岡村隆史)で、お笑い芸人ですが達者なものです(そう言えば『岸和田少年愚連隊』もあった)。この1500石(年収6900万)の大石と20石(同185万)の矢頭は、映画のボケとツッコミです。ふたりの立ち位置が、年収と役方(藩経営の実務担当)vs.番方(政務軍次担当)と職種の差で描かれます。浪費だ!と言うのが岡村サンで、いや必要経費だと言うのが堤サンです。
そろばんで戦ができるか!
銭の勘定できん侍はなにをさしてもデクノボウ
という遣り取りになります。

 討ち入りは戦争ですから、戦争には兵站が付きもの。忠臣蔵を兵站で描けばこの映画となります。討ち入り費用は9500万円、四十七士という人数も、費用的に赤穂や京都から江戸に連れて行ける人数。おまけに江戸滞在費も必要です。討ち入りは何時にするか、これも経費と相談。一旦は内匠頭の命日3月14日に決まるのですが、47人の生活費がそこまでもたない!、で吉良屋敷の茶会の日を聞き出してきた大高源五の情報によって12月14日に決まり事なきを得ます。万事がその調子、いや以外と大事。
 従ってクライマックスの「討ち入り」は、ありません。
 いや面白いです、久々に笑いました。

監督:中村義洋
出演:堤真一、岡村隆史、濱田岳

タグ:映画
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