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映画 海街diary(2015日) [日記(2019)]

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 久々に邦画を見ました。
 父は15年前に女を作って家出、母はその後男と駆け落ち、という複雑な三姉妹+異母妹=四姉妹の話です。鎌倉の四季を背景に、四姉妹の日常が淡々と描かれますから「海街」「diary(日記)」。三姉妹は、長女・幸=綾瀬はるか、次女・佳乃=長澤まさみ、三女・ 千佳=夏帆、異母妹・すず=広瀬すず(中学生)といういずれも美女、美少女(TV見ないので馴染みがありませんが)。原作はコミックだそうです。

 家出した父親の訃報が届き、三姉妹は葬儀に父親の暮らしていた山形に行きます。そこで異母妹・すずに出会い、すずは父親の娘ですが母親は亡くなり、父親の再婚相手は義母に当たるという複雑な事情を抱えています。三姉妹は異母妹を引き取り、鎌倉”四姉妹”の生活が始まります。三姉妹の人物像設定が、類型的ですが”クッキリ”していて安心できます。長女はシッカリもの看護師で、職場の医師と不倫、すずを引き取ると言い出したのもこの長女。次女は酒と男に眼のない地元金融機関のOL。三女はスポーツ用品店に勤め店長を恋人に地元少年サッカーチームの熱心なサポーター、ノーテンキ。
 引き取られた四女・すずは、生い立ちの関係で礼儀正しく三姉妹には遠慮気味、三女が応援するサッカーチームに入ります。

 この四姉妹の日常が鎌倉の四季とともに描かれるだけで、起伏に乏しい映画です。これが洋画であれば途中で寝てしまうのですが、日本映画ですから、映像、セリフが心に滲みます。表情、セリフによって、人物の気持ちの動きが伝わってきます。
 映画は、喪服に始まって喪服で終わり、父親、祖母、「海猫食堂」の二ノ宮幸子などの「死」が背景にあります。なかでも、妻子を棄てた四姉妹の故・父親は、登場しないにもかかわらず映画の中心に居座っています。ラストの鎌倉の海辺で二ノ宮幸子の葬儀を終えた喪服の四姉妹は、死ぬ時に何を思い出すか語ります。長女が「お父さん、本当に駄目だったかもしれないけど、優しい人だったかも。こんな妹を残してくれたのだから。」と呟き、次女と三女は同意します。

 小津安二郎は『東京物語』で1950年代の家族を描きましたが、『海街diary』は2015年の『鎌倉物語』ではないかと思います。オススメです。

監督:是枝裕和
出演:綾瀬はるか 長澤まさみ 夏帆 広瀬すず

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