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映画 燃えよ剣 (1966日) [日記(2019)]

あの頃映画 「燃えよ剣」 [DVD]
 司馬遼太郎原作の(東映ではなく)松竹時代劇です。個人的に、栗塚旭主演の1970年TV版に思い入れがあります。『燃えよ剣』は、1965年のTV番組『新選組血風録』→1966年劇場版『燃えよ剣』→1970年TV番組『燃えよ剣』という流れのようで、『血風録』で土方歳三=栗塚旭が当たって劇場版が作られ、TV版『燃えよ剣』となったようです。
 ストーリーは、司馬遼太郎の原作を下敷きに、土方歳三(栗塚旭)の武州多摩時代の恋人佐絵(小林哲子)と、江戸試衛館時代のライバル七里研之助(平内田良)を狂言回しにした独自のものです。
 清河八郎の呼びかけに応じ、近藤勇(和崎俊哉)等試衛館の面々が京都に上り、清川と袂を分かった近藤が芹沢鴨(戸上城太郎)とともに新選組を立ち上げ、芹沢を粛清して京都守護職預かり新選組を築くあたりは史実で通り。佐絵が九條家(勤王)に奉公に上がり、七里研之助が攘夷志士として京都にいるのも、原作通り。この辺りは、新選組ファンにはお馴染みです。

 違ってくるのは、池田屋事件。古高俊太郎が捕まり、土方の拷問で「祇園祭の前夜、御所に放火し孝明天皇を長州へ連れ去る」という計画が明らかになり、長州浪士が集まる日時と場所池田屋を自白します。映画でこの自白をしたのは、七里研之助の陰謀によって新選組に捕まった佐絵!。近藤は池田屋に、土方は丹寅(四国屋)に向かうわけですが、丹寅で土方を待っていたのは七里研之助。近藤が池田屋に向かったこと知った七里は長州浪士救援のために、土方は近藤応援のために池田屋に向かいます。つまり、何がなんでも池田屋で土方vs.七里を対決をさせたかったわけです。土方は、近藤の討ち入りに花を持たせるため池田屋の玄関に陣取り会津・桑名藩兵の侵入を防いだというのが史実のようです。

 司馬遼太郎の原作は箱館戦争まで続きますが、映画の方は新選組の絶頂期「池田屋事件」まで。佐絵は池田屋事件を自白したために自害。恋人を死に追いやってでも剣に生きる...という土方歳三の決意で幕。脚色し過ぎですが、恋あり剣戟ありで新選組ファンとしては大満足。音楽が渡辺岳、ナレーターは芥川隆行と当時の定番で、時代の雰囲気も決まっています。
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監督:市村泰一
脚本:加藤泰、森崎東
出演:栗塚旭 和崎俊哉 小林哲子 平内田良

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