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映画 死霊館(2013米) [日記(2019)]

死霊館 [DVD]  原題: The Conjuring。conjureには、「呪文(じゆもん)を唱えて呼ぶ、魔法を使って(…を)取り出す、魔法で追い払う、祈願する」という意味があるそうですから、文字通り「悪魔祓い」、エクソシズム。
 ロジャー、キャロリン夫妻と5人の娘の一家が引っ越した屋敷で、悪魔に憑りつかれるホラーです。一家が惨殺された家に引っ越す『フッテージ』も同じ設定です。
 ロジャー一家を救うのが、数々の心霊事件を解決したウォーレン夫妻。心霊現象研究家で民間エクソシストのエド・(トリック・ウィルソン)と妻で霊能者のロレイン(ヴェラ・ファーミガ)。ウォーレン夫妻は実在の人物だそうです。

 不思議な現象が次々と一家に起こります。飼い犬が家に入ることを拒み翌日死体で発見され、鳥が家にぶつかって死ぬ。異音が聞こえドアがひとりでに開閉、家中の時計が午前3持7分で止まる。はキャロリンの身体に謎のアザが現れ、幼い娘は夢遊病で徘徊し、いるはずもない少年と友達になる。でウォーレン夫妻登場となります。

 『エクソシスト』の悪魔はイラクの遺跡から、『オーメン』のも中東の悪魔も墳墓から復活しましたが、『死霊館』の悪魔はアメリカン。またも「セイラム魔女裁判」が関係しているらしい。19世紀中頃にこの家を建てた人物の妻が親族が「セイラム魔女裁判」に関係して死亡。その妻は我子を生け贄にし、悪魔に忠誠を誓って庭の木で頚を吊って自殺、死亡時刻は午前3時7分。その後の館の持ち主は息子が失踪、母親は地下室で自殺。他にも池で溺死した少年、自殺したメイド等々。ロジャー一家はとんでもない家に引っ越したことになります。そして、ウォーレン夫妻vs.悪魔の壮絶な闘いが始まります。

 「セイラム魔女裁判」はアメリカのホラー映画の定番?。この事件が現れるホラーには『クルーシブル』『サイレントヒル』『ジェーン・ドゥの解剖』があります。メイフラワー号からわずか400年のアメリカには、六条御息所の生き霊、菅原道真や平将門の怨霊に連なる「物の怪」の伝統がありません。従って中東から悪魔を借りてくるか、1692年のセイラム魔女裁判しかないわけです。

 最近読んだ『不思議なキリスト教』によると、サタンは「反対者」「妨害者」という意味、神への信仰を検証する存在。神の代理として地上を査察してまわる「係」のことらしいです(笑。神は決して姿を現しませんから、代わりにサタンが現れるわけでしょう。つまり神の弟子。「荒野の誘惑」でもサタンが現れますが、イエスを試し最後は尻尾を巻いて逃げるというカワイイ奴です。
 『死霊館』では、悪魔はキャロリンに憑りついてウォーレン夫妻の信仰を試し、夫妻の信仰が合格点だったので退散したんでしょうか(笑。

 ホラーと言っても、おどろおどろしい怨霊や悪魔が登場するわけではなく(少しは映りますが)、怪奇現象と音で恐怖を引き出そうという正統派ホラーです。
 ヒットしたようで、『死霊館』(2013年)の後『アナベル 死霊館の人形』(2014年)、『死霊館 エンフィールド事件』(2016年)、『アナベル 死霊人形の誕生』(2017年)、『アナベル 死霊博物館』(2019年)とシリーズ化され、『死霊館のシスター』(2018年)→見ました、『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(2019年)とスピンオフ作品まであるようです。
 ホラーは好きだがスプラッターは苦手という方似は、オススメです。

監督:ジェームズ・ワン
出演:ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン

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