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映画 天気の子(2019日) [日記 (2020)]

「天気の子」DVDスタンダード・エディション1.jpg
 久々に映画。子供が借りてきたのでついでに見せて貰いました。どうせ今風のアニメだろうと思って観たのですが、ストーリーに引き込まれ一気に最後まで。

面白さ1
 昨今の異常気象を背景に、”雨を晴れに変える”超能力を持った少女ヒナと家出少年ホタカの、基本はラブストーリー。ホタカはヒナの超能力を知りに、ヒナを使って地域限定、時間限定で天気を「晴れ」に変える「晴れ女」のビジネスをnetで立ち上げます。スマホとクラウド・サービス使ってこうした商売を立ち上げるという辺りも、如何にもありそうで今日風。テルテル坊主のオマジナイがあるくらいですから、需要はあり商売は大繁盛。

面白さ2
 ラブストーリーには二人を引き裂く障害が必要です。
 そのひとつが、超能力を使うとその分身体は透明となり、ヒナの存在は次第に消えてゆくという設定。これは、自分の羽根で反物を織る「夕鶴」のアナロジーです。最後にヒナは完全に消え、「よひょう」のホタカはヒナを探して天空をさ迷うというこのアニメのハイライトが形成されます。もうひとつが「天気の巫女」の生け贄、人柱伝説。これが異常気象で水浸しなった東京に太陽が戻るラストのエピソードに繋がります。ヒナが鳥居をくぐって「晴れ女」となり、水をたたえる雲の中に異界があるというのも日本的。 ストーリー展開にこれら日本の伝承を埋め込んだことが、観客を惹き付ける要因です。

 もうひとつの障害が警察。ホタカは偶然に拳銃を拾い、ヒナを風俗に誘い込もうとした客引きをこの拳銃で威嚇。この様子が防犯カメラ写っていたため警察に追われることになります。逃げるホタカと追う警察というアクション映画の常道が生まれ、ナツミがホタカをバイクに乗せてパトカーと追いつ追われつのシーンは笑います。そう言えば、成層圏のホタカとヒナが舞うシーンも『マトリクス』。

面白さ3
 キャラクター作りが上手いです。母親を亡くし小学生の弟と暮らす17歳(実は15歳)の少女ヒナに、家出高校生・ホタカの組み合わせ。最後に、児童相談所に保護されます。ヒナと弟は警察から追われる少年と幼い姉弟の三人が、異常気象で8月に雪の降る東京を彷徨うシーンは泣かせます。
 この三人に加え、オカルト専門の貧乏編集プロダクションの経営者ケイスケ、アルバイトの女子大生ナツミ。ケイスケは妻を亡くし一人娘を義理の母親に取り上げられ、ナツミは就活で失敗の連続。と、登場するキャラクターは全員事情を抱えています。

 ホタカは消えたヒナを探し当てることができるのか?。それにしても、異常気象の豪雨で水浸しになった東京はシュールです。人々は自宅に留まり飛行機は欠航となって都市機能の止まった首都は、まるでコロナウィルスを予言するかのようです。何ヵ月も降り続く雨を止め東京に太陽を取り戻す「晴れ女」は戻ってくるのか?…。新海誠のアニメをはじめて観ましたが、上手いですね。

監督・脚本・原作:新海誠
出演(声):醍醐虎汰朗 森七菜

タグ:映画
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