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百田尚樹 日本国紀(1)~戦国時代~(2018幻冬舎) [日記 (2021)]

日本国紀  百田尚樹による日本の通史です。山川の「日本史」(教科書)?は気に入らない、ひとつオレが新しい歴史教科書を書いてやる!日本「国紀」だ、というわけでしょう。「永遠の0」の百田氏ですから、まえがきから

日本ほど素晴らしい歴史を持っている国はありません。(日本人の美点を挙げ敗戦から復興した経緯を語り)・・・ヒストリーという言葉はストーリー同じ語源とされています。つまり歴史とは「物語」なのです。本書は日本人の物語、いや私たち自身の壮大な物語なのです。

本書は「物語」だそうですから、眉にツバして読むほうがいいのなか?…。

 「古代~大和政権の誕生」から「平成」まで14章、日本史が教科書風にまとめられ、間に<コラム>と称する余話、ないしは著者の解説が入ります。このコラムが面白いです。

 例えば第5章、「戦国時代」。当たり前に織田信長、豊臣秀吉が登場し、鉄砲、キリスト教の伝来、お馴染みの楽市楽座、検地に刀狩りと来ますから、ほとんど教科書です。それでは面白くないので、秀吉の「朝鮮出兵」で加藤清正が満洲にまで攻め込んだことを例に歴史の<if>を語ります。

百年も続いた戦乱の世を生きてきた当時の日本の武士たちは、世界最強の軍隊であった可能性が高い。こうしたことを見ると、日本軍が明を征服するのはあながち誇大妄想の類ではないと思われる。実際、元も清も少数民族でありながら、中国大陸を百年以上にわたって支配している。
歴史に「if」はないが、もし慶長三年(1598)に秀吉が死なず、日本軍が撤退していなければ、東アジアの歴史は大いに違ったものになっていたかもしれない。

 言われみればれてみれば、清は少数民族の女真族が漢民族を支配した征服王朝ですから、この”if”はアリです。

なお近年の歴史教科書では、「朝鮮侵略」と記述されていることが多いが、他国に攻め込むことを侵略と書くなら、世界史におけるアレクサンドロス大王やチンギス・ハーンやナポレオンの遠征もすべて侵略と書かなければ辻褄が合わない。

と「自虐史観」をチクリ。現代の政治状況で歴史を云々するから「侵略」となるわけで、侵略したいのは明であり朝鮮なんぞは通り道に過ぎなかった秀吉にとっては心外でしょうね。
韓国の言う所謂「歴史問題」も同様で、帝国主義の時代に統治能力のない李朝が日本帝国に飲み込まれる、併合されることは侵略で何でもないわけで、世界史的事象に過ぎないかも知れません。

それまでどんな女性も妊娠させることができなかった男が、生殖能力が減退する五十代になって、茶々(淀)だけを二回も妊娠させたというのはきわめて不自然である・・・二人の子供の父親は、本当は秀吉ではないのではないかと当時の人々も考えていた。

となるわけですw。茶々(淀君)が浅井長政の娘で 母は織田信長の妹「お市」、お市の夫である柴田勝家は秀吉に破れお市も自害していますから、もし茶々が不義の子を産みその子が豊臣家を継いだなら、ある意味、復習を果たしたといえなくもない。・・・戦国の世にはこうした男女の生々しいドラマも渦巻いていた。と言うのです、ナルホド。

 という本です、面白いのでもう少し…。

タグ:読書
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