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万葉集の花・秋 (1) [日記 (2021)]

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彼岸花(壱師、いちし)
路の辺の壱師いちしの花のいちしろく 人皆知りぬわが恋妻こいづまは(柿本人麻呂)
 →ばたに咲く壱師(いちし)の花のように、はっきりとみんなに知れ渡ってしまったことだ。私が心より愛する妻への気持ちのことではあるが…。
彼岸花はポピュラーな花だと思うのですが、これ一首だそうです。 
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クソカズラ(ヘクソカズラ)
ぞう莢(イバラ、サイカチ?)に 延(は)ひおほとれる 屎葛(くそかずら) 絶ゆることなく 宮仕へせむ(高宮王)
 →イバラにまといついたクソカズラのように、しがみつくように宮仕えをしよう。宮仕えというのは昔も今も変わりなかったようで、笑うしかないです。クソカズラが万葉集にあるとは、でも雅な万葉人も酷い名を付けたものです。
紫蘇(ツチハリ)
我がやどに 生(お)ふるつちはり 心ゆも 思はぬ人の 衣(きぬ)に摺(す)らゆな(作者不詳)
 →私の家の庭に生えたつちはり(我が娘よ?)よ、心から思ってもいない人の衣に摺り染められたりしては駄目だよ
年頃の娘を心配する父親の心境と解釈するとピッタリ、知らんけど。画像は庭のシソで、素麺や冷奴の薬味としてひと夏重宝しましました。どうもツチハリとは違うみたいですが、シソ科はシソ科。
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リンドウ(思いくさ)
道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらさらに 何をか思はむ(作者不詳)
 →道端のススキの陰で咲いている思い草のように、今さら何を思いわずらって、うちしおれたりしようか
「思いくさ」はナンバンキセルで竜胆ではないようですが、まぁいいか?。画像は、大阪府の岩湧山(897m)の山頂近くで撮影、唯一の写真です。
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ススキ(尾花、をばな)
萩の花 尾花(をばな)葛花(くずはな) なでしこの花、 みなへし また藤袴(ふじはかま) 朝顔の花(山上憶良)
 →ススキを詠んだ歌は沢山ありますが、秋の七草をそのまんま詠んだこれが決定版?。こんな歌あったんですね。ススキの画像はリンドウと同じ岩湧山で撮ったも。岩湧山山頂には人の背丈を超えるススキ(茅)の群生があり、毎年山焼きが行われます。 
ハギ
かくのみに ありけるものを萩の花 咲きてありやと 問ひし君はも(大伴旅人)
 →運命はこのようなものです、萩の花は咲いているだろうかとあなたは問うてきたものでしたね
萩の歌も沢山ります。この歌の君というのは、女性なのか男性なのか?。

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