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映画 引き裂かれたカーテン(1966米) [日記(2010)]

引き裂かれたカーテン [DVD] ヒッチコックが人気スター、ポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースを迎えて制作したラブロマンス+サスペンスです。
 映画の中でも『鉄のカーテン』と云う言葉が出てきますが、公開当時は東西冷戦のただ中。ソ連が核ミサイルを米国の裏庭キューバに持ち込もうとしたキューバ危機が1962年ですから、冷戦と核という話題性のある舞台で人気俳優が危機に瀕しハラハラドキドキ、適当にロマンスもあってヒットしたんではないでしょうか。

 学会か何かに出席するために船に乗り合わせた物理学者のマイケル(ポール・ニューマン)とサラ(ジュリー・アンドリュース)のカップルが主人公。このマイケルが挙動不審、何か企んでいます。ふたりは婚約者なんですが、おれはコペンハーゲンで仕事が忙しいからお前は帰れみたいな話になって、サラが調べるとコペンハーゲンではなく東ベルリンのチケットが予約されています。マイケルの目的地は『鉄のカーテン』の向こう側東ベルリン。
 この辺りが映画のいいところで、サラは無鉄砲にもマイケルの乗る飛行機に無断で乗り込み東ベルリンへ来てしまいます。おいおいビザは?⇒当時24時間の滞在にビザは要らなかったようです。空港では東ドイツ高官が出迎え、なんとマイケルは核ミサイルのノハウを持って共産圏へ亡命したのです。アメリカ映画で、主人公が東側に亡命するわけは無いやろ!、当然裏があり・・・。

 オチもいまひとつで、どこがヒッチコックなんや!

監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ポール・ニューマン ジュリー・アンドリュース

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映画 処女の泉(1960スェーデン) [日記(2010)]

処女の泉 [DVD] 何とも古風なタイトルですが、中身も古風です。『秋のソナタ』で手こずった難解なイングマール・ベルイマンですが、この映画は(一見)分かりやすいです。

 舞台はスェーデンなんでしょうね、時代は不明。中世ということもないと思いますが、信仰が生活を律している時代の話です。
 両親に甘やかされて何不自由なく暮らすカーリン。冒頭から朝寝坊して礼拝に遅刻します。母親から教会にロウソクを届けるように言われ、これは嫌だこれは嫌だ絹の服を着てゆくと大騒ぎ。カーリンと同行するのが使用人のインゲリ。インゲリはカーリンの引き立て役で、このふたりは対照的です。カーリンは育ちのよさをうかがわせる可愛いふっくらした容貌ですが、インゲリは鋭い目つきで野性的、そぎ落としたような容貌です。父親も分からない身重の体を粗末な服で包んでいます。

 インゲリとは途中で分かれカーリンはひとりで教会に向かいますが、羊飼いの兄弟と出会い、凌辱の末殺されます。サンドイッチからヒキガエルが跳びだし惨劇は一気にクライマックスへかけのぼりますが、このサンドイッチはインゲリが作ったものです。さらに、彼女はこの凌辱と殺人の目撃者であり、カーリンを助けなかったばかりかカーリンの不幸を期待したとさえ後に告白しています。こうなるとインゲリはカーリンの引き立て役などでは無く、主題なのかもしれません。

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映画 フレンジー(1972英) [日記(2010)]

フレンジー [DVD] 低迷していたヒッチコック復活の作品と言うことですが、どこが?と突っ込みたくなります。猟奇殺人とその犯人にされた男の物語です。犯人は最初から知らされているし、殺人も洗練されていないし、無実の罪を着せられる恐怖というのもあまり感じられず、オチがあるようで無い、とまぁ不満だらけなのですが、これがけっこうオモシロイ。

 ブレイニー(ジョン・フィンチ)という元少佐まで勤めたバーテンダーが主人公。何故元少佐なのかは不明で、当時の英国病の揶揄かとも思うのですが、実のところは?。このブレイニーが酒場を首になって、行くところがなく別れた奥さんに会いに行きます。奥さんは結婚紹介所をやっていて景気がいいわけで、この元旦那を親切にも食事に誘い小遣いまで与えます。ブレイニーはプライドが邪魔して素直になれず元奥さんに喧嘩をふっかけたりします。

 この元奥さんがレイプ殺人の被害者となり、殺害時刻に現場を去る姿を目撃されていて逮捕されます。犯人はブレイニーの友人で、元奥さんの経営する結婚紹介所の客。マゾヒストの相手を紹介しろと申し込んでいるのですが、そんな相手は現れる筈もなくこの元奥さんを毒牙にかけるわけです。 何が毒牙かと言うと、レイプしてネクタイで絞め殺すことに満足を覚えるという異常者なわけです。この殺人シーンが怖いかというと少しも怖くない。ネクタイで絞め殺すレイプ殺人は、公開当時は刺激的な設定だったかも知れませんが、何でもありの現代ではね、と言うことです。<br />
 ここで40年経っても少しも古びず、真実であり続けるのが、女の『
』と夫婦という奇妙な『関係』です。
 主人公を捕まえる警部とその奥さんが登場します。なかなか家庭的な警部で、帰宅して奥さんに事件の話なんかをするんですが、この奥さんが刑事の旦那顔負けの推理をします。主人公は犯人ではない。10年も一緒に暮らした元妻を、レイプ殺人するわけがないと。私たちは結婚して8年よ、ベットに入るとバタンキューね・・・。何がバタンキューなのか?ですが見ている方は笑うしかありません。この奥さんが現在夢中になっているのがフランス料理。警部はわけのわからない料理を食べさせられ、不味いとも言えず奥さんが立ったすきに中身を戻したり、えらく苦労します。
 このシーンは『フレンジー』の白眉です(笑。

 どこがヒッチコックのサスペンスなんだと言われても困りますが、1972年という時代を考えると、これはこれでヒッチコックかもしれません・・・苦しい(^^;)。

監督・制作:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョン・フィンチ バリー・フォスター

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日本通信 IDEOS [日記(2010)]

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 またまた日本通信が仕掛けてきましたねぇ。これってイー・モバイルのHuawei製Pocket WiFi(S31HW)と同じみたいです。スペックは、

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映画 鳥(1963米) [日記(2010)]

鳥【ユニバーサル・セレクション1500円キャンペーン/2009年第5弾:初回生産限定】 [DVD] スタートはラブコメディめいています。九官鳥を買いに来たメラニー(ティッピ・ヘドレン)と、これも妹のプレゼントにラブバードを買いに来たブレナー(ロッド・テイラー)がペットショップで出会います。先に来ていたメラニーが店員のふりをしてブレナーをからかい、ブレナーは彼女が何者か知っていて反対にメラニーは恥をかくことになります。たわいないオープニングで、1960年代の映画では男女の出会いもこうなるんですね。

 なんだかんだあって、メラニーはラブバードを持参してブレナーを彼の郷里へ訪ねます。この海辺の田舎町が映画の舞台となります。ブレナーはサンフランシスコの弁護士ですが、週末は律儀に母親と妹のいるこの田舎町に帰ります。
 『母親』です、この辺り『サイコ』のアンソニー・パーキンスを思い出します。ブレナーは別にマザコンではないのですが、『鳥』ではこのブレナーの母親(ジェシカ・タンディ)がちょっとミステリアスです。子離れができない神経質な母親で、訪ねてきたメラニーも当然歓迎されません。
 もうひとり、ブレナーの妹が通う小学校の教師アニー(スザンヌ・プレシェット)の存在です。アニーとブレナーはかつて恋人同士で、ブレナーの母親が障害となってうまくゆかなかった過去があります。友達関係を失いたくないと、この田舎町に住み着いています。

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読書 海老沢泰久 美味礼賛 [日記(2010)]

美味礼讃 (文春文庫) 辻調理師専門学校の創始者辻静雄の評伝です。新聞記者であった辻は、義父の始めた割烹学校を継ぎ、そこでフランス料理に出会います。正確には、三千種類のフランス料理を紹介した『ラルース・ガストロミック』や食べ歩きの『Bouquet de France』と出会い、オムライスやトンカツが西洋料理であった昭和30年代に書物の上で鴨のオレンジ煮やトリュッフのパイ包み焼きなどと出会ったわけです。ここから、フランス料理を日本に移植するという辻の仕事が30年以上にわたって続きます。

 フランス料理を日本に移植するために辻が取った手法は、食べること。新聞記者の給料20年分(昭和36年当時)の500万円を持ってフランスに出かけ、パリの三つ星レストラン4軒と二つ星レストラン20軒を始めとして食べ歩き、フランス料理を舌に覚え込ませます。読んでいる方はヨダレが出そうな話ですが、食べると云うことが義務となった辛さはいくら
美食とは云え苦行ですね。

 『ラルース・ガストロミック』や『Bouquet de France』の著者を訪ね、その紹介で次々と三つ星レストランのオーナーやシェフの知遇を得ていく様は、なかなか感動的です。フランスの料理界で辻が何故かくも優遇されたのか不思議ですが、フランス料理を日本に移植するという情熱が彼等を動かしたという他はありません。後年彼等を日本に招聘し、日本の調理技術と料理文化を

 フランス料理にとっては今は明治時代にも等しい、という会話があります。まさに、官民挙げて西洋の技術と思想を学んだ明治初年の熱気が本書から伝わってきます。
 美食を仕事とした辻は、来る日も来る日も濃厚な料理を食べる苦しみと、美食がもたらした肝臓病により60歳で逝きます。美食に殉じたわけです。
 小説の形をとったノンフィクション、ノンフィクションめいた小説、どっちなんでしょう。文章も平易で淡々とした記述は大変読みやすいです。
タグ:読書
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映画 サイコ(1960米) [日記(2010)]

サイコ (1960) ― コレクターズ・エディション [DVD] あまりにも有名なヒッチコックのサスペンスです。1960年制作のモノクロですから古色蒼然かというと、そうでもなくて十分楽しめます。

 ジャネット・リーが会社の金を横領して逃げる途中、旧街道に迷い込みモーテルに宿泊するところから『ヒッチコック』となります。このモーテルの主人アンソニー・パーキンスが相当怪しいです。趣味が鳥の剥製作りで、病身の母親とふたりで暮らしているんですが、子離れのできない母親とマザコンの息子で、怪しい雰囲気です。
 アンソニー・パーキンスがジャネット・リーに好意をみせたことで、母親の嫉妬に火が付きジャネット・リーは殺害されてしまいます。殺害の後始末をアンソニー・パーキンスが黙々とする辺り
は怖いです。

 ジャネット・リーと横領された4万ドルを追って私立探偵、彼女の妹、恋人がモーテルを訪れ真相を探ろうとします。彼女の失踪を母親が知っているようで面会を求めますが、アンソニー・パーキンスは頑なにこれを拒みます。謎とサスペンスが最高潮に達するのは、地元の保安官の次の一言でしょう、

母親は10年前に死んで今は墓の中。母親が屋敷にいるなら、墓の中にいるのは誰なんだ。

 母親は10年前恋人ができ、その恋人が既婚であることが分かって、恋人を殺し自殺した事実が明らかになります。では、
ジャネット・リーを殺したのは誰なんだ?、観客は窓辺に座る母親の姿を見ています、アンソニー・パーキンスを詰る声まで聞いています。淀川長治さん(映画解説者)でなくとも『怖いですねぇ~』。

監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ロバート・ブロック
出演:アンソニー・パーキンス ジャネット・リー

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スマホエッセイ WindowsMobileは今日も不安定 ~T-01A総集編~ [日記(2010)]

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KTPocketLauncher              iPhoneToday

 どこかで聞いたようなタイトルですが、T-01A+b-mobileを使い出して半年が経ちます。その間、キーボードの付いたT-01Bが発売され、iPhone4だGalaxyだと言っている間にキャリヤ3社からAndroidがドッと発売され、世の中一気にスマホの時代に突入しました。Palmの時代から電子手帳を使ってきた身には、1GのCPUに32Gのストレージの乗ったパソコンが(パソコンですよねぇ)手のひら(palm)に載るんですからいい時代です。おまけにネットワークにつながっていて、デジカメが搭載されGPSまで装備されているんですから夢みたいな世界です。こんなすばらしいツールで電話するなんてモッタイナイですねぇ(笑。
 孫さんが

これからはスマホ(タブレット)の時代だ。ノートパソコンを開いていることが恥ずかしい時代になる。

とか言って、怪しい『ソフトバンク勝利の方程式』なるものをとなえていますが、わが家でも呪いのかかった(モバイル)ノートが、1年で無用の長物と化しています。

 我がT-01Aはというと、スピードは(私なりに)十分でメールにネットにとそれなりに頑張ってくれています。ただ、世の中はiPhoneとAndroidの話題ばかりで、WindowsMobileなどと恥ずかしくて言えないことが唯一の不満です(^^;)、おまけに時々こけて再起動(笑。

 T-01Aを使い始めた頃は、物珍しくてあれこれアプリを入れて遊んでましたが、半年も経つと飽きてきたというか、使用方法も大体決まってきました。

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