『サンジャックへの道』は、今も数多くの巡礼が旅する、1000年以上の歴史を持つ巡礼路で、フランスからピレネー山脈を越えスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの1500kmを指しています。この1500kmを徒歩で旅する8人の巡礼者とひとりのガイドの2ヶ月の旅を描いたロードムービーです。
ロードムービーというと、最近見た映画では『レインマン』『逃走迷路』『ハスラー2』『怒りの葡萄』がそうです。新作では、『ザ・ロード』『ザ・ウォーカー』もこの範疇に入ります。主人公(達)が、目的を持ってある場所からある場所へ移動(旅)するなかで、出会った人や体験が主人公(達)の人生に及ぼす影響の様なものを描いて、『そうでしょ?』と云うのがロードムービーです。

高校教師の長女クララ(マニュエル・ロビン)、どっかの会社の社長で長男ピエール(アルチュス・ド・パンゲルン)、飲んだくれの失業者次男クロード(ジャン=ピエール・ダルッサン)の三人は、母親を亡くし遺産相続をすることになります。遺言は、この仲の悪い三兄弟が一緒に1500kmのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩き通さない限り相続権を認めないという奇妙なもの。それにしても人の悪い母親ですね。それぞれの事情で三人は巡礼のツアーに参加します。