マルセル君 両親と愉快な叔父さん
英語版のタイトルは、「マルセルの夏」がMy Father's Glory、「マルセルのお城」がMy Mother's Castle。FatherとMotherが付く様に、父と母に育まれるマルセル少年の物語です。別にこれと言って事件が起こるわけでもなく、彼を取り巻く日常が詩情豊かにちょっとユーモラスに描かれます。
「マルセルの夏」は、プロバンス地方の美しい自然の中でマルセル少年が送る夏休みの冒険を描いていますが、別荘で過ごす父親と叔父さんの優雅なバカンスを見て、我が身を比べるとため息が出ます。バカンスが1ヶ月続くフランスのしかも19世紀末？の物語です。
- 日記（2011）
「マルセルのお城」では、マルセル一家は別荘での生活がすっかり気に入って、クリスマスだ、復活祭だと休暇のたびにこの別荘で過ごすようになります。ついに、毎週末を別荘で過ごし月曜日に街に帰るという優雅な生活を始めます。月曜の朝学校に着くためには、別荘を4時だかなんだかに出ないと間に合いません。この問題を解決するためには、運河沿いに建つ幾つかの「お城」の庭先を横切ると2時間の節約となり、父親の教え子が運河の管理人だったことから、城の庭先を横切る「鍵」を手に入れます。この他人の庭先を横切ることから生じる「事件」が･･･
成長したマルセルが、往時を振り返ってつぶやく「時間が人生の水車をくるくると回す」という言葉で映画は終わります。フランス映画ですねぇ。
「マルセルの夏」と「マルセルのお城」は、NHK・BSで見たのですが、「マルセル・スペシャルエディション」としてDVDになっている様です。「マルセルの夏」→「マルセルのお城」の順に見て下さい。
イヴ・ロベールは、フランスの片田舎を舞台に、裸の少年たちが巻き起こす騒動「わんぱく戦争（1961年）」を撮った監督です。と言えば思い出す方も多いのではないかと思います。オジサンの夏休み映画鑑賞にはぴったり。
監督：イヴ・ロベール
演出：ジュリアン・シアマーカ フィリップ・コーベール ナタリー・ルーセル