幻想小説の傑作(だと思っている)『少年時代』のマキャモンが放つ『人狼伝説』。
主人公はマイケル・ガラティン、ロシア出身の英国陸軍少佐で、狼男。何故狼男かは、上巻で詳しい説明があります。狼のある種のウィルスが作用しているらしいのですが、説明されても、当然納得はできませんね。
この狼男になった経緯はなかなか迫力のある描写で、8歳の少年が生肉嗜好者になり、骨をギシギシいわせて狼男に変身します。中盤に、マイケルが属する人狼のグループが本物の狼に襲われ描写があるのですが、これも凄い。血とヴァイオレンスが苦手な方は、特に食事前には読まない方がいいと思います。『少年時代』を期待すると裏切られます。
主人公が狼ですから、マイケルはやたら鼻が効きます。例えば、