ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラと3大スターを揃え、監督がアンリ・ヴェルヌイユ、音楽がエンニオ・モリコーネですからどんな大作なんだろうか、と期待しますね。どこかに書いてありましたが、愛すべき佳作。

 息子3人と遊技機器会社を経営しているオヤジがジャン・ギャバン。裏では犯罪に手を染めているんです。親子4人に長男、次男の嫁まで加わったファミリーのギャング団というのもほほえましいものがあります。

 この親子が、一匹狼のギャング、アラン・ドロンを警察から救い出すシーンで映画の幕が開きます。アラン・ドロンを追いかける刑事がリノ・ヴァンチュラで、ここで3大スターの揃い踏みとなります。

 このオヤジ、ジャン・ギャバンの目標と言うのが、引退までに故郷シチリア島の土地の買い占めだというのですから又々ユーモアたっぷり。土地買い占めてどうするんだ、と息子の嫁に皮肉言われてます(^^;)

 シチ
リア島の土地の買い占めの為かどうか知りませんが、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンがたくらんだのが、ローマで開かれている宝飾展覧会の時価250億フランの宝石の強奪。ニューヨーク・マフィアまで動員した(当時としては)奇想天外な強奪作戦が見せ場です。フランス・フランは存在しませんが、1フラン20円で換算すると、250億フランは5,000億円!?。

 作戦が成功して目出度しメデタシでは映画になりませんから、当然犯罪映画ならではの結末が用意されています。その結末が、『色男』アラン・ドロンならではのちょっとしたミスから来ているのもシャレですね。

 リノ・ヴァンチュラなんですが、敬意を表していろいろカッコいいシーンが用意されているんですが、間抜けな仏警察の親分、というところでしょうか。アラン・ドロンはちょっとアブナイ色男、ジャン・ギャバンは、これはもう貫禄カンロクです。

 作る方のかっこよくカッコヨクという思いがユーモアを生む『愛すべき佳作』です。まぁ、40年以上前の映画なんですから仕方がありません。

監督:アンリ・ヴェルヌイユ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ