マネク(ギャァスパー・ウリエル)の死に疑問を持ったのが婚約者のマチルド(オドレイ・トトゥ)。マネクが生きている確率は限りなく低いわけですが、婚約者の『勘』でマネクの生を信じ、彼女は戦場の生き残りを訪ねマネクを探し出そうとします。マチルドを演じるのがオドレイ・トトゥ。どうしても、遮二無二に恋人を探す行動的なアメリ・ブーランとダブってしまいます。このマチルドの愛と行動力が最後には彼女を真実へと導きます、というのが『ロング・エンゲージメント』でしょう。
この映画はそうしたラブロマンスをベースに、マチルドがマクネの生死と戦場の真実を探り出すミステリです。中には都合のよすぎるストーリー展開もあるのですが、ひとつひとつヴェールを剥がすように真実に近づいてゆくマチルドに、見ている方もつい応援したくなります。マチルドの設定にも工夫があります、
・幼くして両親を亡くし叔父夫婦に育てられている・・・ドミニク・ピノンといいコンビ
・小児麻痺のため片足が不自由・・・エッチラオッチラ何処へでも出かけます
・霧笛と似ているという理由でチューバを吹く・・・チューバです、チューバ
孤児で足が不自由なマチルドが、ひたむきにいいなずけの安否を尋ねる物語ですから、誰だって応援しますね。決して明るい物語ではないのですが、そこはジャン=ピエール・ジュネです。カラッとしていて、至る所にユーモアとペーソスが溢れています。マチルドは『アメリ』そのものです。
マチルドの叔父を演じるのがジュネお抱えの俳優ドミニク・ピノン。この人持ち味からすると死刑囚4人のひとりの方が似合うと思うのですが、今回はマチルドを温かく見守り協力する優しい叔父さん。もいひとり、アレッというのがジョディ・フォスター。何故かジョディ・フォスターが出ています。彼女の演じるエピソードも、ストーリーとは直接関係はありませんが、なかなか胸を打つエピソードです。
『デリカテッセン』(1991年)
『ロスト・チルドレン』(1995年)
『エイリアン4』(1997年)
『アメリ』(2001年)
『ロング・エンゲージメント』(2004年)
『エイリアン4』は別にしても、だんだん分かりやすくなってますね。
『アメリ』でジャン=ピエール・ジュネにはまったらお薦めです。『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』に比べると随分まっとう?な映画です。
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ
ギャスパー・ウリエル
ドミニク・ピノン
ジョディ・フォスター