ナチスによって家族を殺されたユダヤ人のエリス(カリス・ファン・ハウテン)が、レジスタンスのスパイとなってナチスの司令部に潜り込みます。親衛隊大尉ミュンツェ(セバスチャン・コッホ)に身を任せ、執務室に隠しマイクを仕掛けレジスタンスに情報を流します。ナチス親衛隊大尉ともなると、悪の権化の様に描かれるのが普通ですが、このミュンツェの設定は変わっています。ドイツの敗北を見越し、これ以上の流血を避けるためにレジスタンスのリーダーと裏で取引をしたり、それがバレて死刑を宣告されたり、あろうことかエリスは恋に陥ってしまいます。趣味が切手の蒐集というのも笑わせます。
- 日記(2011)
ナチスによって家族を殺されたユダヤ人のエリス(カリス・ファン・ハウテン)が、レジスタンスのスパイとなってナチスの司令部に潜り込みます。親衛隊大尉ミュンツェ(セバスチャン・コッホ)に身を任せ、執務室に隠しマイクを仕掛けレジスタンスに情報を流します。ナチス親衛隊大尉ともなると、悪の権化の様に描かれるのが普通ですが、このミュンツェの設定は変わっています。ドイツの敗北を見越し、これ以上の流血を避けるためにレジスタンスのリーダーと裏で取引をしたり、それがバレて死刑を宣告されたり、あろうことかエリスは恋に陥ってしまいます。趣味が切手の蒐集というのも笑わせます。
ナチス=悪、レジスタンス=善の構図が壊され、レジスタンスの裏切りが明らかになります。エリス達ユダヤ人の逃亡がナチスの待ち伏せで失敗し、同志の奪還計画もこれもナチスの待ち伏せで失敗しますが、何者かの裏切りによって情報が漏れていたためです。誰かがユダヤ人の富裕層をナチスに売り渡してその財産を奪い、レジスタンス運動を潰す画策をしていたわけです。この辺りから映画はミステリ要素を増します。
犯人捜しだけかというとそうでもなく、ナチス崩壊後にミュンツェがナチの手によって処刑されるという運命の皮肉や、ナチス高官の醜い保身など、戦争の混乱がもたらす悲劇もしっかり描いています。隠しマイクが逆用されてエリスがナチスの内通者に仕立てられ、ナチス協力者として終戦後も追われるはめとなり、いろいろ盛り沢山。で、裏切り者は誰か?・・・。大抵、最もそれらしくない人物が犯人です(笑。
カリス・ファン・ハウテンのお色気とリアルな殺戮と暴力の描写など、なかなか楽しめます。お薦めです。
戦争と云う、人が合法的に殺人強盗が出来る状況下ではどんなドラマでが生まれてもおかしくありません。というか“事実は小説(映画)より奇”なんでしょうね。
監督:ポール・バーホーベン
出演:カリス・ファン・ハウテン セバスチャン・コッホ トム・ホフマン
出演:カリス・ファン・ハウテン セバスチャン・コッホ トム・ホフマン