サハリンという地名より樺太と呼ぶ方が日本人には馴染み深いです。間宮林蔵によって探検され島であることが確認された樺太です。
樺太は、1)国境が引かれず日露両国民の混在が認められた時代、2)千島列島と交換にロシア領であった時代、3)北緯50度に国境線が引かれロシアと日本が分割領有した時代を経て、4)戦後再びロシア領となります。
本書は、この日本が分割領有した時代に樺太に渡って働き、戦後のロシア領サハリンで日本国籍を失い帰る術が無くなった朝鮮の人々を、歴史の狭間から掘り起こしたノンフィクションです。
閔妃暗殺』『わが祖国-禹博士の運命の種』とともに著者の朝鮮三部作となっています。