持論「潜水艦映画に外れなし」、おまけに監督がルネ・クレマンですから見る前から期待が盛り上がります。ルネ・クレマン というと「禁じられた遊び」、「太陽がいっぱい」が有名ですが、チャールズ・ブロンソンの「雨の訪問者」、フェイ・ダナウェイの「パリは霧にぬれて」、ロバート・ライアン「狼は天使の匂い」などの米スターを起用したB級サスペンス?もなかなかのものです。
 
 「海の牙」は、Uボート(U-372)を舞台としたフランス映画という少し変わった建付けです。登場人物の国籍もドイツ、スェーデン、イタリア、フランス、それに国籍不明の北欧、作中の人物のセリフにあるように「ノアの箱船」。「海の牙」は、潜水艦という密室でこれらの人々が織りなす群像劇です。