原題は“ANYTHING YOU SAY CAN AND WILL BE USED AGAINST YOU”。警官が容疑者を逮捕するときの決まり文句「あんたの発言は法廷で不利に働く場合もあるから、黙秘してもいいよ云々」から来ているようです。
 と言うことも知らずに2007年度「このミス」「週刊文春ミステリ」の第一位ということで性懲りもなく読みました。先日も同じ理由でボストン・テラン「音もなく少女は」を読んだのですが、ちょっと趣味に合いませんでしたが、こちらは面白かったです。

 ルイジアナ州の地方都市に勤める5人の婦人警官をめぐる物語です。男と伍して犯罪と関わるキャサリン、リズ、モナ、キャシー、サラ5人の婦人警官が登場します。犯人を追い詰めるでもなく、警察のインサイド・ストーリーでもなく(なくもないですが)、女性が警察官という職業を選択しそこで出会う困難や事件を、女性らしい感受性で受け止める「ジェンダー」の物語です。