「サイコ」の事件から22年後、精神病院から退院したノーマン(アンソニー・パーキンス)は、おなじみの屋敷とモーテルに帰ってきます。社会復帰プログラムでノーマンは食堂の厨房に雇われ、ウェイトレスのメアリー(メグ・ティリー)と知り合います。精神病の治った筈のノーマンですが、死んだ母親から行動を監視しているかのようなメモが届き電話が掛かり、母親らしき姿が二階の窓からノーマンを見下ろしている…、ノーマンは再び狂気の世界にひきこまれてゆきます。モーテルの管理人、マリファナを吸うため屋敷の地下室に潜り込んだ少年が殺され、またも「解離性同一性障害」に陥ったノーマンが母親の人格となって殺人を犯すことになったのか?。
後半で種が明かされます。メアリーは、実は「サイコ」で殺されたマリオンの姪、母親でマリオンの妹ライラ(ヴェラ・マイルズ)とともに”母親”を騙ってメモを送り電話かけ、ノーマンを再び狂気に追いやり精神病院に入れようというしたわけです。ライラはノーマンの保釈を強硬に反対する人物として冒頭で登場しています。メアリーは、誠実なノーマンに惹かれライラを裏切りノーマンに味方します。ところがライラもまた何者かに殺され、『サイコ』同様、”母親”の人格に入れ替わったノーマンが殺したのか?、”ノーマン・ベイツ”という「怪物」の再来か?、というのが映画のキモ。
実は、今度はマザコンではなく「子離れできない母親」というのがミソで、『サイコ』の続編としては、なかなかよくできています。ヒッチコック・ファンなら観ては損はないと思います。
監督:リチャード・フランクリン
出演:アンソニー・パーキンス ヴェラ・マイルズ