1Q84 BOOK 1

  • 作者: 村上春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/05/29
  • メディア: 単行本


【青豆】
 冒頭は、渋滞の首都高速で聴くヤナーチェックの『シンフォニエッタ』。聴いているのは【青豆(あおまめ)】29歳の女性。『ヤナーチェック』に【青豆】という奇妙な名前、村上春樹の小説を読んできた読者はこの組み合わせでなんとなく納得してしまいます。【青豆】は渋滞の首都高速から非常階段を使って地上に降り、工事用の資材置き場の隙間から脱出します。第5章で【青豆】の『専門的な技能と訓練が必要とされる職業』が明かされるのですが、この職業というのが『必殺仕掛け人』!。針を使う殺し屋で、オイオイと云いたくなります。

【天吾】
 一方、予備校の数学講師をしながら小説を書いている【天吾】の物語が同時進行します。【天吾】はある文芸誌の新人賞の下読みのアルバイトで17歳の少女の書いた『空気さなぎ』という作品に出会い、編集者に強く推します。編集者はこの『空気さなぎ』で芥川賞を狙うべく書き直しを【天吾】に依頼し、【天吾】は作者の【ふかえり】と会うこととなります。

【ふかえり】
 深田絵里子、『空気さなぎ』の作者で17歳の美少女。ディスクレシア(読字障害)で、『疑問符なしの疑問型』で物事を尋ねる少女。両親と離れ元大学教授の文化人類学者を保護者とする謎の少女。

 この【青豆】の物語と【天吾】+【ふかえり】の物語が交互に進行し、次第に謎が深まっていきます。

《 以下ネタバレ 》