めぐりあう時間たち [DVD]

  • 出版社/メーカー: アスミック
  • メディア: DVD
 これはまた難解な映画です。

 3つの時代の3人の女性の時間が交差してひとつの物語を作り出しています。ひとりは1923年のヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)、もうひとりは1951年のローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)、最後が2001年のクラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)。時空を超えた3人の女性のそれぞれの1日の出来事を重ね合わせ、疎外と愛と人生を描いています。監督は『愛を読むひと』で話題のスティーブン・ダルドリー。ヴァージニア・ウルフは実在のイギリスの作家です。

 ヴァージニア・ウルフの小説『ダロウェイ夫人』が映画の下敷きとなっています。ヴァージニアはこの小説を執筆中であり、ローラはこの小説を読書中、クラリッサのあだ名は『ダロウェイ夫人』。

●1923年のリッチモンドでヴァージニアが『ミセス・ダロウェイは言った「花は買ってくるわ、私が」』と書くと、
●1951年のロサンゼルスでローラはベットの上で『花は私が買ってくるは』と声を上げて読み、
●2001年のNYでクラリッサは『花は私が買ってくるは』と家族に言います。

3人の女性が時代を超えて共に生きていることを鮮やかに描いています。

 3人のストーリーを読み解きながら、この映画の意味を考えてみます。以下ネタバレとなれますのでご注意。