朗読者 (新潮文庫)

  • 作者: ベルンハルト シュリンク
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 文庫
 スティーブン・ダルドリー監督、ケイト・ウィンスレット主演の映画『愛を読むひと』の原作です。この映画で、ケイト・ウィンスレットは2008年のアカデミー賞主演女優賞を獲っています。小説はアメリカでは200万部も売れたベストセラーのようです(Wikipedia)。映画を見てから原作を読んだ関係で、ケイト・ウィンスレットが目の前にちらついて、どうもこういう読み方はアレですね。
 
 第1部で、ミヒャエルとハンナの出会いです。
 小説はミヒャエルの回想の形を取りミヒャエルの独白として進行します。15歳のミヒャエルが36歳のハンナに恋をします。恋というより性愛を仲立ちとした男女関係と呼んでもいいかもしれません。それにしても、ハンナという女性像がなかなか見えてきません。ハンナは、15歳の少年から見た36歳の大人の女性ですからミステリアスであって当たりまえかもしれません。このミステリアスな部分が伏線となって第2部以下へと続くきます。