この時代のフランス映画のタイトルは配給会社が凝ったタイトルを付けるので、『地下室のメロディー』もそうなんだろうと思いましたが、本当にMelodie en sous-sol(地下室のメロディー)でした。映画の中身と地下室もメロディーも関係ないのですが、なかなかいいタイトルで雰囲気はよく出ています。

 ジャン・ギャバン、アラン・ドロンのフィルム・ノワールです。カジノから10億フランを盗み出すストーリーですが、舞台がカンヌの一流ホテルのカジノですから、ジャン・ギャバンもアラン・ドロンもタキシードに身を包んで強盗をやるわけで、お洒落です。あまりトラブルも無く成功してしまうんで気が抜けてしまいますが、当然の如くラストで犯罪は破綻します。これもお洒落でカッコヨク破綻しますからこのラストシーンのためにそれまでのドラマがあると云ってもいいでしょう。