ヒッチコックが米国に渡って映画制作を始めた初期の作品です。1942年ですから第二次世界大戦の真っ最中で時代を反映した内容となっています。また、ヒッチコックがハリウッドに来て制作した映画ですから気負いの様なものを感じます。今観ると、その辺りに少し違和感を感じなくもありません。

 主人公バリー・ケイン(ロバート・カミングス)は飛行機工場の破壊工作事件に巻き込まれ警察に追われる身となります。潔白を証明するため、犯人と思われる男を捜して東部から西海岸へ、カリフォルニアからニューヨークへと旅と人との出会いが描かれるロードムービーのかたちをとっています。