ギレルモ・デル・トロ(パンズ・ラビリンス ヘルボーイ)の文字があったので迷わず借りてきましたが、監督ではなく製作総指揮でした。しかしギレルモ・デル・トロが一枚噛んでいるだけあって、なかなかのダーク・ファンタジーに仕上がっています。

 孤児であったラウラ(ベレン・ルエダ)は、障害者の支援施設を作るために自分が子供時代を過ごした岬に建つ孤児院を買い取ります。医師の夫と、養子シモンとともにこの孤児院に住み始めます。誰もいるはずのない孤児院で、シモンは友達を見つけ遊び始めます。当然、この友達は、シモンには見えるがラウラたち大人には見えないわけで、何処かで見た(聞いた、読んだ)話だと思いながら、ゾォ~“ユウレイ?”と思うわけです。おまけに謎の老婆なんかが現れ、実は昔の孤児院のスタッフだったりして、古い写真に写ってはいるが、当時孤児院にいたラウラの記憶からはすっぽ抜けていたり・・・思わせぶりで怖いです。
 この“怖い”というのは、オドロオドロシイものが登場しそうで登場せず、観客の想像力を刺激することで恐怖をかきたてる「出るぞでるぞ・・・でも出ない」というホラーの王道です。