『昭和史 七つの謎』に、東條英機暗殺計画に柔道家の牛島辰熊が関わり、その弟子・木村政彦が鉄砲玉として予定されていたという話が出てきます。東條は、サイパン陥落の責任をとって辞任しますから、暗殺は計画に終わっています。
大宅賞を受賞した本書に登場するのがこの木村政彦らしいので、読んでみました。
第43回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。文庫本で上下巻1200頁に及ぶ大著で、全編これ柔道という異色の本です。
プロレスはショーである。 ブック(プロレス界の隠語)と呼ばれる台本があって、そのブックに沿って試合は進められ、あらかじめ決められた勝者が勝つことになっている。はじめの試合(昭和二十九年十二月二十二日)は引き分けにし、さらにもう一度引き分けを繰り返し、次に力道山が勝ち、そしてこちらが勝つということで合意したのです。