【起承転結の起】
 原題:はFrom Here to Eternity。日本軍による「真珠湾攻撃」が取り入れられていますから、1941年、ハワイのオアフ島が舞台です。ハワイの基地に転属になった元アマチュア・ボクシング選手、プルーイット(モンゴメリー・クリフト)。中隊のボクシング部に入部しなかったためにイジメにあって命を落とす話です。ボクシングで勝つことが中隊の名誉だと考える中隊長は、優秀なボクサーがどうしても欲しかったようで、プルーイットを翻意させるために部下を使ってイジメるわけです。
 旧日本陸軍の内務班にも新兵をイジメる(シゴク)話があります。『人間の条件(1959)』(第3部)で、上等兵の南道郎と千秋実が二等兵の田中邦衛をイジメて自殺させるエピソードがあります。アメリカですから、ああいう陰湿な話ではありませんが、まぁ似たようなもの。『人間の条件』では主人公の加藤剛が田中邦衛を助けようとします。この映画でも、プルーイットを助ける古参軍曹ウォーデン(バート・ランカスター)が登場しプルーイットをかばいます。こういう構図というのは、米軍も旧日本軍も似たようなものです。