森崎東の映画『ペコロスの母に会いに行く』に感心したので、原作を読んでみました。漫画を読むのはいったい何年ぶり? →漫画も以外といいじゃないか、という感想です。
命がふたつならが
すれ違う
人生の重荷を降ろした笑顔と
人生の重荷をまだ知らない笑顔の
何とよく似たものか
もうじき 春である
映画もそうでしたが、漫画も全編長崎弁です。方言の持つ素朴な味わいがいいですね。標準語だとこうはいきません。亡くなった人と話す言葉も、標準語だったら怪談になってしまいそうです。
この狂気というか怪談を、漫画と長崎弁で包むとソフトで口当たりのいいファンタジーとなります。介護の現場はそんな甘いものではないと言うことも可能ですが、認知症の母親を天使のように描くことによって自らを支えてきた作者を見るべきでしょう。たぶん、それがこの漫画が支持され、TVドラマや映画となった理由だと思われます。