『ベルリン飛行指令』が面白かったので、零戦搭載の無線機を再度調べてみました。

『ベルリン飛行指令』では、
(1)当時の搭載無線機の性能が悪かったため、海軍航空技術廠の盛田中尉が部品を吟味し96式1号無線機を改良した。
(2)このため、機上での安藤大尉と乾一空曹との会話が円滑に運び、飛行中の物語進行にも寄与しています。
(3)この96式1号無線機を使った地上との交信は描かれていません。

昭和12年(1937年)の零戦の開発仕様では、
無線機:96式空1号無線電話機1組、ク式空3号帰投方位測定器1組
となっています。零戦が海軍に納入されたのは昭和14年(1939年)9月ですから、『ベルリン飛行指令』の安藤・乾機も96式空1号無線電話機が搭載されていたはずです。機体を軽くするため、ク式空3号帰投方位測定器は外されていたことでしょう。
作者は、この無線機があまり役に立たなかったこと、紫電改が『改良が施された無線機(無線電話機)を活用した編隊空戦法により大きな戦果を挙げた(wikipedia)』ことを念頭に、盛田中尉に無線機の改造させたのでしょう。