- 日記(2010)
ウルグアイ警察の技術者とは隠れ蓑で、サントールはアメリカの警察学校の教官(CIA)。南米各国でゲリラを掃討する警察や軍隊を指導する『技術者』であることが明かされ、ウルグアイでは、軍・警察の別働隊としてスパイ、拷問、暗殺の特殊チームを率いる指揮官だったことも明らかになります。
戒厳令を敷いたウルグアイ政府は、ゲリラの摘発と虐殺を敢行しますが、ほとんどファシズムで、WWⅡのナチを思い起こさせます。
1週間後、サントールは行き詰まったゲリラに《処刑》されます。映画はサントールの後任《技術者》がモンテビデオの空港に降り立ち、警察幹部に迎えられるシーンで幕を閉じます。
同時代のCIA関与事件では、チリのアシェンデ政権を倒したクーデターが有名です。世界の警察アメリカが、自由主義守るという大義名分のもとに何をしてきたか、を告発しているのでしょう。
ウルグアイは、映画公開のよく1973年に軍事クーデターが起き、1985年まで軍の影響力の強い政権体制が続きます。この間、
労働人口の1/5が治安組織の要員という異常な警察国家体制による、左翼系、あるいは全く政治活動に関係のない市民への弾圧が進んだ(Wikipedia)
そうです。2004年には中道左派政権が誕生し、2010年には映画で描かれたゲリラの指導者が大統領となっているとのことです。
ドキュメンタリータッチで描かれる映画は説得力に富み、見応えがあります。
監督:コスタ・ガヴラス
出演:イヴ・モンタン
【2010/06/07追記】
イタリア映画のサイトを見ていたら、この映画のプロデュサーであるジャック・ペランは、『ニュー・シネマ・パラダイス』でアルフレードが亡くなったことを聞いて故郷に帰る成長したトトを演じた俳優なのですねぇ。