ココ・シャネルを見たので、今度は『ココ・アヴァン・シャネル』です。avantを辞書にあたると『前』だそうですから、Coco avant Chanelで『シャネルになる前のココ』、若き日のシャネルを描いていることになります。ファッション・デザイナーのしかもラブ・ストーリーですから女性向けの映画でなくもないんですが。

 何故また2009年に2本もシャネルの伝記映画が上映されるんでしょうか。便宜上、『ココ・シャネル』をバルボラ編、『ココ・アヴァン・シャネル』をオドレイ編と呼びます。

 でこの2本どうしても比べられますね。バルボラ編は年老いたシャネル(シャーリー・マクレーン)の回想という建て付けで、シャネルの戦後のカムバックを扱っていますが、オドレイ編はシャネルの事跡をストレートにたどり、パリで成功する時点で終わっています。どちらも、時代の先端を走った自立する女を、エティエンヌとボーイとの恋を交えて描いています。