高校時代からの親友、高校教師のジェイコブ(フィリップ・シーモア・ホフマン)、為替ディーラー?のフランク(バリー・ペッパー)、父親、プエルトリコ人の恋人ナチュレルなどの口からモンティの姿が浮かび上がります。
父親と別れの食事をした後、モンティがあらゆるものに対して悪態をつきます、FuckYou・・・と。韓国人はどうの、イタリア人はどうの、プエルトリコ人はどうのと人種的偏見から(モンティ自身はアイルランド移民の子孫)、警官、株のディーラー、神父と職業や階層に悪態をつき、一転悪態は自分の周りの親友、父親、恋人に及び、最後のFuckYouは自分自身に向けられます。(父親が、医者にも弁護士にもなれたのに、父さんが悪い・・・という会話があって)自分で自分の人生を台無しにした!と自分を責めます。7年の刑務所暮らしを考えて、かなり落ち込んでいるわけです。このシーンでFuckYou100連発です(数えてませんが・・・)。
親友である英語教師のジェイコブ、為替ディーラーのフランク、恋人ナチュレルとの馴れ初めなどのエピソードを積み重ね、あらゆる可能性を秘めていた少年が何処かで曲がり角を間違えた人生を、しみじみと描きます。それは、モンティだけの曲がり角ではなく、父親にもジェイコブにもフランクにもナチュレルにも、誰にでもあった曲がり角なんでしょうね。
刑務所を向かう車の中で見るモンティの白日夢は、曲がり損ねた人生に訪れる未来も、まんざら捨てたものではないと言っているようです。
デイヴィッド・ベニオフとスパイク・リーの優しさが伝わる一編です。原作も読んでみます。
監督:スパイク・リー
原作・脚本: デイヴィッド・ベニオフ
出演:エドワード・ノートン フィリップ・シーモア・ホフマン バリー・ペッパー
25時 (新潮文庫)
- 作者: デイヴィッド ベニオフ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫