NHKのいいところは、こういう映画をさりげなく放映してくれるところです。テオ・アンゲロブロスとかイングマール・ベルイマンの名前もNHKで知りました。

 ここによると、「懺悔」は1984年に製作されたもの数年間上映禁止となり、1987年に解禁となってソ連国内でヒット?したようです。ゴルバチョフの就任が1985年ですから、1984年は未だブレジネフの体制の残滓の時代で、こういう体制批判の映画は上映できなかったんでしょう。

 オバサンのケーキ作りで幕が開き、その(たぶん)旦那がいい人が亡くなったと嘆きます。信頼できる友人だ、心の師さ、ヴァルラムの死で運が尽きた、と旦那。妻は、(皮肉っぽく)知り合えただけで幸せよ、とグルジアの地方都市の市長ヴァルラム・アラヴィゼの死を報じる新聞をじっと見つめます。見終わって分かることですが、なかなか凝縮された幕開きです。
 
 チョビ髭ヴァルラム                  黒服にオープンカー