「ノーカントリー」のコーエン兄弟の出世作でかつ各種映画賞総なめというので、見てみました。何が「ファーゴ」かというと、地名なんですね。ノースダコタ州の田舎町ファーゴで起こった事件を元に作られた映画だそうです(嘘です、コーエン兄弟の洒落)。

 ウィリアム・H・メイシーが重要な役どころで出演していますが、軽妙で滑稽なこの人が登場すのですから、失礼ながらコメディです。
 なんとか4万ドルの都合をつけないといけないメイシーは、狂言誘拐をでっち上げます。誘拐されるのはなんと自分の妻。妻が誘拐されれば、金持ちの父親は身代金を払うだろうと云うわけです。じゃぁ、女房の父親から4万ドルを借りればいいのですが、過去の信用か何かが災いしてそれもかなわない身の上。勤め先もその父親が経営する自動車ディーラーで、まぁダメ男を地で行くようなものです。こういう役をやらせると、メイシーさんはピカイチです。自分の会社に勤める仮出所の男に、実行犯のスティーヴ・ブシェミとピーター・ストーメアのふたり紹介して貰います。